LGBTQ洋書読書会とか

新設Cチーム企画主催者が、元々は「リバティおおさかを応援する!」というブログでやってましたが、引っ越ししまして、最近ではLGBTQの洋書読書会やその他の情報をごった煮状態で掲載していますv

アトランタ (WPATH)3日目セッションメモ(2011/9/25)

Plenary panel presentations: 
Transgender beyond disorder: Identity, community, and health. 

アイデンティティ 
私は1980年代中ごろからこれWPATHにかかわっていて、1970年ごろオペ済のMtFの人がカミングアウトしたことが強く印象に残っている。その後のHIVの問題が起こることによって接点をもたないでいたトランスコミュニティとHIV問題が連帯するようになった。サザンカンフォートやISの団体、GLMAともつながりをもってやってきた。CNNがLGBTのユースの問題を報道したこともあった。(エリクソンアイデンティティの定義)個人が確立することはそれとともに集団としての属性意識も重要だ。ジェンダーアイデンティティが個人的なものとして捉えられるようになったのは最近のことだ。1980年代、内分泌系の医者であるゴーレンがTSの個人がいることを知って、社会に受け入れられるように願っていた。性別は二分法ではない。最近の用語学的にはTSとTGをどう定義するか論争がある。(TS=女か男かはっきり自覚している、TG=あいまいさがある)TS、TGの分けにくさ。また、性別はスティグマ、健康、多領域性に影響されるものである。 

・VTR「2つの人生をもつ人」トランスのアンドレアの話 
13歳の頃叔父のスイカ売りの手伝いをしていたら、知らない客の男からセックスに誘われた。自分は女じゃなくて男だと言ったけれど男はちんこを見せてきた。4歳の頃から自分は女だと思ってきた。その客のことはトラウマ的体験だったが、その後自分の性別を振り返り検討していくうえで重要な体験だったと思う。43歳の今はどうなのか。黒人男性として生きるということは、社会の底辺で生きること。黒人女性として生きるということは、暴力に会い、白人女性からも蔑まれて生きていくということ。アイデンティティをどこに持つのか、社会的地位も影響する。30年間ぐらいは男性として生きてきたけれど女性とセックスするときは自分はレズビアンだと感じて、男性とセックスするときは異性愛者の女性として感じていて、今は自分をバイセクシャルのトランス女性だと思っている。
キング牧師の言葉「市民権について戦うひとになってください。~」 

●コミュニティ 
私は30年間結婚しており、妻とこどもがいます。サザンカンフォートに7年間通っています。サザンカンフォートは私の人生の大きな影響を与えました。サザンカンフォートは21年前、様々な分野で活躍する人たち、法律家などの人たちがはじめました。今年900人を超える参加者があつまりすばらしいです。また、ニーズが多くあることも初参加の人350人もいることもすばらしいです。サザンカンフォートのよいところは自分は孤独ではないことを感じられることです。大事なことは安心を感じられる場所を提供できることです。嫌がらせを受けたり、逮捕されたりしないことです。 
サザンカンフォートは完全に民間経営で参加費から成り立っています。昨晩もみんな踊り明かしたので参加の際は遊べる格好で来てください。また、著名な人が無償で参加してくれましたし、有名なメーカップアーティストも来てくれてとてもいいイベントになりました。スタンダードオブケア7版の改定についてもいち早く知らせてくれたのはとてもよかったです。 
私たちはお金がなくてこれに参加できない人たちのために奨学金を用意しています。お金や家族の問題で参加できない人をこうして呼ぶことは大事です。今回は130人に無償で参加できるように旅費なども含めて資金援助しました900人の参加者の中で、誰かの自殺を止められたとしたら有意義なことです。 
アトランタでは手術できません。トランス男性が手術を望みながら亡くなりました。そういう人にバス代を出してお金をだしてオペができるように支援するサービスも提供しています。FtMのパートナーの人たちをサポートする新しいプログラムも開始しています。 
こうしていろいろと紹介しましたが、生きづらさを感じているあらゆる人に手をさしのべたいと思っています。サザンカンフォートとWPATHがこのように共催できてよかった。これからも実際に会ってどんな課題に取り組んでいけるか話し合うことはいいことです。
共催の話の時にGLMAともという話がでて、なんで?と思ったけれどこうして実現できてよかった。メンタルヘルスの専門家たちに訴えたいことは、LGBTの家族の家族の苦しみについて、セックスセラピーなどそれぞれの専門セラピーがあるように、これについても体系化、制度化、資格化してほしいです。自分も何年もカウンセリングをうけていたので家族が崩壊しなくてもすむそういうセラピーが可能な専門家の育成と資格化を望みます。

●健康(元元元GLMA会長) 
トランスすることによって職を失って、1993年に開業した。以前、バンクーバーでアサンプしょんからアクセプタンス、推測から受容へという講演をしたのだが、スタンダードオブケア7版が改定されるところに立ち会えて感慨深く思う。「トランスの健康、医療、保健」「IDの性別変更、その役割」「トランスにかかわるための心構え」「医学部の教育課程におけるトランスジェンダーの…」「トランスの薬物使用について」「シリコン注射の…」「FtMのオペ後の満足感について」「トランスの生物学的研究」「トランスの健康専門学に出会う」などなど、これまでGLMAではたくさんのトランスに関する研究発表がされてきた。 
「DSM5におけるGIDの扱いについて」という中で重要な指摘がされた。それはどんな素晴らしい医療であっても、アクセスできなければ意味がないということだ。そして適切な診断、ケアが受けられることが重要だ。 
オペが必要なトランスのほとんどがオペによって満足を得ることができる。社会的ニーズとしてのマッチングがうまくいくことがトランジションのキーとなる。 
それらについて書かれた本が「larening with minds」である。オペは結果が重要である。性別違和は医学的コンディションであるということ。性別違和に対して治療する世界が理想的なのであって、性別違和を持つ人を治療することではない。 

Plenary symposium organized by GLMA: 
Transgender care in community-based settings. 
Chair:Jason Schneider, MD. 
Gal Mayer, MD, Callen Lorde Community Health Center, New York City, NY, USA. 
Ruben Hopwood, MDiv, Fenway Health, Boston, MA, USA. 
Madeline Deutsch, MD, L.A. Gay & Lesbian Center, Los Angeles, CA, USA. 
Thomas Wormgoor, MA, JD, Transvisie, Schorer Foundation, Amsterdam, The Netherlands. 
Bev Lepischak, MSW, Sherbourne Health Center, Toronto, Ontario, Canada. 

●フェンウェイでの取り組みの報告 
・利用者:18か月で582人。(MtFが286人、FtM296人) 
・トランス向け自殺予防冊子 (fenwayhealth.org/ からダウンロード可能) 
●ロサンゼルスでの取り組みの報告 
・GLセンターは世界最大のGL組織。 
HIVの予防啓発の資金が政府からおりていて活動している。 
・2年間で680人の患者を診た。40%が保険なし。収入に応じた治療スケールにのっとって治療。 
アムステルダムでの取り組みの報告 
・親、こども療法のメンタルヘルスに取り組む。 
・医療は保険でカバーできる。 
・自殺率の高さの問題はある。 
ジェンダークリニックと密なやり取りをして包括的サポートを心がけている。 
トロントでの取り組みの報告。 
・移民、ホームレス、LGBTを対象にした病院。 
・2002年にアウトリーチをはじめてホルモンコンサルテーションプロトコルをまとめて2003年に実施。600人ぐらいのトランスの主治病院となって機能している。登録しているのは600人だけど、1000人ぐらいはこのリソースを利用してるだろう。 
・包括的サポートの紹介としては、当事者が集まるサポートグループの他に、ジェンダージャーニーと言って年に三回ぐらい、性別移行とはどういうことか理解してもらうための教育的プログラムを行っている。受講することによってトランジションの準備をしてもらう。トランスフュージョンというのはトランスのユースが20人ぐらいあつまるピアサポート。トランスパートナーネットワークは家族として生活するためのサポートに特化した取り組み。FtMで妊娠したい人のための講座。(おそらく世界初)LGというアイデンティティを持つわけではないクィアの人で親になりたい人のためのワークショップ。トランス女性のための集団健康診断。トランス男性のための子宮頸がん検査。イベント、冊子発刊、キャンペーンなど。 
・トランスの社会上、健康上の切実なニーズの調査や、トランスの親学などの研究活動もしている。 

質疑1、自分たちの取り組みの特徴について 
ロス:貧困もそうだが、貧困でなくてもいろんなサービスにアクセスできないのが問題だと思う。また文化や言語の問題もあって、精神療法という概念がない国から来ている人にどう使ってもらうか、どう説明するかという問題がある。 

質疑2、サービスから漏れていることについて 
トロント:対象は移民、ホームレス、LGBTだが、どのプログラムを選択しても大丈夫なようにしている。ホームレスでゲイとかもあるので。 
アムステルダム:質問にはあてはまらない。望めばだれでもどんなサービスでも保険適用されて使えるから。問題は診断前の人をどうサポートできるか。 
ニューヨーク:HIV系の予算があるので細部にわたるように予算を落として行っている。問題はトランスの固有性としては、どんな人よりもサービスにたどり着く道のりが遠いということ。また、来た時点でどの段階なのか、ホルモン何年目なのか、とか、ちゃんと見極める必要がある。見極めることによってサービスの組み合わせを考えて提供する必要がある。 
マサチューセッツ:保険なし。医療サービスを受けられない人が多い。近隣の州からバスでくるひとがいて、地元でできるようならないか検討すべき。 

質疑3、包括的ケアはどういう場合、どんな問題があるか。 
ロス:メンタルヘルスの充実をはかりたいが、インターンして資格を得るための機会が専門家に足りてない。サービスがない州、地域にどうやって届けるかが課題。また、ここから紹介した先の病院で、名前や扱いなどトランスにちゃんと配慮しているかどうか気になるししてほしい。FtMの産婦に対して、すごくよくしてくれる病院があるが、そのFtMの出産が終わるとそのサービスがよい状態が途切れてしまうのが問題。 
トロント:ナビゲーターになる人がいて包括的に取り組めるように工夫してる。待ちリストがすごいことになっていて、オペの許可が出てもなかなか順番がまわってこない状態なのが問題。ボトルネック現象。海外でオペしてきた人の予後を見てくれる病院がない。専門家に学ぼうという人が少ない。海外のやったところに行けと言われるが現実的でない。

質疑4、コミュニティで仕事をすることのむずかしさって? 
・地域社会に絡むからいろんな注意が必要。職場内での細かい連絡やり取りが重要となる。なんでもすぐ言える環境が大事。たくさんコミュニティセンターがあるから、同じサービスを提供しないようにお互いに調べてそれぞれが固有のものを提供できるようにする。新しいプログラムなどコミュニティのニーズに沿って作るようにしている。

アトランタ (WPATH)3日目(2011/9/25)

この前、朝ごはんに買ったドーナツを食べるが甘ったるすぎてあぶらっこすぎて完食できずちょっと捨てました。すみません。 

朝10時から基調講演。GLMA(Gay and Lesbian Medical Association)とのコラボレーション企画。 

何人かの講演を訳してもらった。が、通訳がなくなるととたんにやっぱり意味が分からなくてしんど。会場がとにかく冷房で寒い。 

ところでこれがホテルの外観。森の中にあります。 

きれいで大きなロビー。 

豪華ねー。 

山っぽいところにあるので地下でも庭がある。 

オブジェとかもかわゆい。実際この森にリスがいるらしい。Hさんは時々歩いてたらリスを見かけたけらしいけど、わたしは全然気が付かなかったー。 

ランチも朝食みたいにバイキングで庭にあるテーブルで食べた。 

ダイヤモンド博士をはじめ、「FTM」の著者とかそうそうたるメンバーだったらしいんだけどあんまりありがたみもわからず会話もわからず。残念。でもダイヤモンド氏はやさしい。少し日本語ができる。「かないをさがしてきます」と言っていた。家内だってー。笑 

Sさんが来たので席をかわって会場をぶらつく。Hさんがどっかいってるので一人で講演を聞くが、わからないのに居る意味ないよなーと思いたってタクシーでパペットセンターに。15$ぐらいのところを20$で行ったような気がするけどめんどくさいので払う。 

タクシーの人はコンゴから来たそうで、コンゴには日本人がたくさん開発技術者として来ているんだそうで。 
パペットセンターはB級な感じがたまらなくよい。 

念願のフラグルロックの人形を生で見ることができて超テンションあがった!!!! 

ジミーヘンソンの神業をたくさん見て独りにまにましながら館内をまわる。お客さんが他に2組の家族ぐらいしかいない。おみやげはフラグルの誰かをと思っていたけど、カバのかわいいパペットにひとめぼれて購入。ちゃんとした造りだし妥当で満足の買い物だった。 
帰りは火曜日の観光練習のために地下鉄とバスで帰ることにチャレンジした。 

地下鉄まで歩いて、本を見ながらチケットを買ってホテルの最寄駅までは問題なく行けたんだけど、バス亭を見つけられなくて一苦労。 

警察のおじさんに聞いたりしたけど(めっちゃでっかい黒人の人だったけどポリスって書いてあるの来てたし勇気をだして聞いてみたのだった。私たちが道路脇でたたずむ姿は黒いでかいセントバーナードとパグ(小)って感じだったと思う。)しかしわからず。30-40分ぐらいうろついてやっと駅の反対側に見つけた…。しかもバスに乗ってもバス停の案内とかまったくないので、降りる近くになったらこの窓に沿ってかかっている紐を引っ張って知らせるという…地元の人も間違ってひっぱっては運転手に「ちゃうねん、次やねん、」と言っている人が何人かいました。旅行者にはきつい。 

25分ぐらいでホテルの近くまで帰ってくるも、行き過ぎてて一駅ぐらい逆戻る。汗だく。にしても、今回スマートフォンで自分の位置を確認しながら動けて本当に助かった。ケータイなかったら英語もできないしほんと大変だったと思うわ。いつもGPSで自分がどこにいるか確認しながら歩いていました。 
他のみなさんと合流して、近くのでかいスーパーに行く。 

ホテルの車で送迎してもらえた。 
スーパーもでかい。 

もうすぐハロウィンなのでかぼちゃが売ってた。
ドラッグストアでおみやげのお菓子をどか買い。スーパーで夕飯を買った。 
夜は1時までみなさんと語らう。青春ぽい。 

アトランタ2日目 (WPATH)セッションメモ(2011/9/24)

セッション記録 

GIDという言葉はほぼ使われていない。トランスジェンダージェンダーバリアントが支流。カウンセリング、ホルモン、SRSの3つのセット治療法も古い。今はそれぞれの事情に合わせて臨機応変に使うのが主流になってきているようす。 
 

New Frontiers for Transgender Youth— Rob Garofalo, Anne Lou de Vries 

●ニューフロンティアトランス(オランダ、アムステルダム) 
・プログラムの歴史。1990年から16-18歳に対する対応を調査、検討し、ホルモン治療をOKに。2000年から12-16歳に対してホルモンブロックをOKに。このように若いころから準備をしているとやはりSRSがうまくいくし効果がよくでる。満足度も高いらしい。
・6か月カウンセリングの後、ホルモンブロックあるいはホルモン療法。ホルモンブロックは可逆だがホルモン療法は不可逆な部分も。 
・18歳以降はSRSに向けて準備。 
・12歳以下の場合、そのうち80%がゲイレズビアンになり、20%がトランスとなる追跡調査結果。なので若年の場合、トランスになるかは慎重に見極める必要がある。 
・思春期をすぎて性別違和を訴える場合はほぼ100%がトランスとなる。 
・12歳からの診断基準。長期にわたる性別違和、家族の理解、治療の理解など。他にもあったけどメモできず。子供なので理解が不十分な可能性があるので家族の理解とともにインフォームドコンセントの必要がある。 
・なぜ12歳からかというと、他の医療でも自己決定を認められる年齢が12歳だから。 
・トランスの子どもの特徴としては、①長期の性別違和がある、②SRSへの強い願望がある、③自分の体の成長による変化に恐怖を感じている。 
・トランスの子どもたちの直面することとしては、小学校では好きな性別で過ごせていても中学校に上がるときに学校がそれを問題にすることがある。SRSに対するアンビバレントな感情がある。SRSについてあとで気がかわることもある。 
・治療はチームで行われる。心理学者、精神科医ソーシャルワーカー的な人とか。 
・診断→3か月間で身体の調査、心理テスト。18歳でSRSの診断が可能。 
・7-8歳以下までの来院だとトランスではない可能性が高いが12歳以降の場合は確率が高くSRSの確率も高い。 
MtFの小学生のドキュメンタリー。「I am a girl」すっげ綺麗かわいい。友達ともいい関係。好きな男の子がいる。 
・オランダだから受け入れの寛容度がとても高い。 
・小学校でトランスしててもそのまま中学で受け入れてもらえるのか?→小学校でトランスできている時点で周囲の環境が整っていてサポートされてるので受け入れられやすい。拒絶されたり嫌がらせのある学校だったら転校するようにアドバイスする。 
・親のグループ、こどものトランスのグループなど当事者サポートが充実している。 
・移民などの子どもは少ない。サポートや情報が届いていない可能性がある。 
・12歳~ぐらいの子どもでFtMの場合、胸が大きくなってきた時にどうするか?→ナベシャツを着るようにすすめる。 
・子供は夢見がちだけれど、現実をちゃんと見てもらうようにこれからのことを具体的に説明する。SRSをやっても完璧じゃないということを理解して大人になってもらう。 

●移民、有色人種のトランスジェンダーユースのサポート 
・先のレポートは楽観的だったけどこのレポートは逆のことを言うことになる。 
・この会場は白人ばっかりだけど、自分たちがサポートしているのは黒人や移民、有色人種。 
・自分もゲイとして家族に理解を得られない状態で居た時は、(有名な活動家?アーティスト?の)MtFの人に勇気づけられた。「A tale of cities」(映画?) 
・自分たちの団体ではコミットメント、研究、調査、臨床を行っている。 
・20-25%が25歳になるまでにHIVに感染するという現実がある。アメリカではHIV関係の対策に予算がたくさんさかれているが有色人種などの場合、情報やサポートが行き届いていないということがわかる。 
・自分たちからするとホルモンをするかどうかというのは簡単な問題。それよりもホルモンをするかどうか、そこに至れるかどうかが大変な作業で地獄のさただった。また、ここ5-10年の間で臨床医がトランスのことに関心を持つようになったことで状況がすごく変わった。 
MtFのケーシーの例。(トランスユース。)ネットで知り合ったという43歳の男性とかけおちして都市に出てきて、その三か月後その家を追い出され、その二か月後シェルターに入るが生きていくためにセックスワークをすると言い始め、その三か月後、もっと稼ぐためにゴムなしでやるつもりだと言って、その四か月後、HIVポジティブになっていた。このすごい展開の速さ。勉強ができてスカラシップももらっていた子だったのに。 
・このような展開に陥るユースの特徴はソーシャルサービスから遠いということ。トランスであることで、貧困、心理的ストレス、うつ、自尊感情の低さ、薬物使用(麻薬も、ホルモン注射も、シリコンなども含めて。)セックスワークという展開になりがち。 
・「トランスジェンダーレズビアン、ゲイの健康」(全編のダウンロード可能な本) 
・今までの調査などの欠点は、FtMの研究がなされてないこと、予防疫学が主眼であること、長期的研究がないこと(その後どうなってるのかわからない。) 
・これからの調査に求められる視点は、マイノリティ分野、国際的、人口学的、ヘルスニーズとケア、介入の効果評価など。 
・これまでHIV系の調査をするときにコミュニティのニーズとのずれを感じてフラストレーションを感じていた。今後は調査報告書を造ることで法律制度化などコミュニティが必要としているものをつくるための基盤として使ってもらえるようなものを提供したい。実際に自分たちの報告書がきっかけで行政が提言を出した。 

・トランスのケアモデル 
行動学的アセスメント・教育的治療的エンゲージメント・リアルライフテストの重要性・ホルモンセラピー・ホルモンブロッカー・SRSおよびフォローアップ・長期的問題・骨密度・ワクチンを受けられる体かどうか・トランジションが体にどう影響を与えうるのか。

サザンカンフォートの豪華ランチに参加 
全米最大のトランスのお祭り。今回は900人の参加がありそのうち350人が初参加だったとのこと。TV系の人たちが主流な感じ。 

・全米各地で脱毛の開業をしている人たちのくじ引きゲーム。同じテーブルの人が当たってた! 
・宝くじ的なものを買うようにインフォメーションがあった。当たった人は半額もらえて来年のサザンカンフォートの参加が無料だとか。 
・ゲイの法律家の人の話 
ひとりのMtFの人のことが忘れられない。彼女はとても優秀な証券マンだったがトランスしたことによって文字通りすべてを失った。3年間完全に孤独してしまっていた。自分たちは全米どこへでもかけつけて力になるつもりだ。ハラスメント、暴力、雇用、IDの性別変更、保険などトランスの問題の力になる。 
・主催のMtFの人の話 
私たちは孤独ではない。もし孤独な人がいたらその人を探し出して家族になろう。コミュニティに出会えたことが希望だ。 

・スタンダードオブケア第7版の改定について委員から話 
私は元WPATHの会長だったがその頃からパラダイムシフトしたかった。まだこれから不十分な部分が改定されるとしても、この数年検討し議論を重ねてきた努力の結晶だと思う。新版は月曜日9/26にウェブにUPされることになっている。GIDという名前はもう使わない。どんなケアでも、どんな存在であっても、尊厳をもって提供されるべきであり、どんな属性かは関係ない。目的は変わってはいない。文言が変わったことは注目すべきだ。改定まで4年をかけて丁寧に議論されてきた。34人の多国籍な委員によって議論されており、欧米、北米中心主義にならないように配慮してきた。とはいえ、考え方や基盤が欧米であるのは確かだが、どんな文化であっても適用できるようにしている。ページ数が31ページから122ページとなって、そのうち22ページは参考文献の紹介となっている。 
包括的な内容になっていて、それはホルモン治療やSRSにとどまらない。GD=精神疾患として生涯にわたる疾患ではない。GN=先天的ではなく社会に寄るもの。専門家はトランスの人々が様々なジェンダーアイデンティティを表現、実現できるように助けるのが仕事である。患者が希望することに専門家が許可を出すのではなく。 
アドボカシー、偏見差別、スティグマの排除が明確に書かれている。 
それぞれの人に固有の状況があるので、それでもいいのだと読めるように高い柔軟性をもって書かれている。 
インフォームドコンセントの神話を助長しないような注意、コメント。 
ホルモン治療の前にそれらによる変化やリスクなどの情報をもっているべき。インフォームドコンセントが必要であること、オプションを理解してからの判断。 
心理療法は必ずしも必要ではない。専門家がするべきことが明記されていて、本人以外、周囲の環境についても書かれている。専門家の資格化や修士号取得以上を推奨するなど。
これまでの、精神療法、ホルモン治療、SRSの3セット療法については言及しておらず、ヘルスケアは多様であるという言い方に変わっている。ホリスティックケア(包括的)に変わってきている。 
TGジャーナルに掲載されてたくさんの意見が寄せられることになるだろう。それがさらに改善された第8版となることを期待する。 
・副読本がついている。コミュニケーション、心理療法、社会的。。。について。 
・大改訂した部分は、MtFの膣オペに診断書が2つ必要だったが、1つになった。性腺摘出について2つの診断書がいるのは変わらない。 
・1979?年、治療が医学的に必要であることを社会に広めるには大変だった。 
・あらゆるしばりをとっぱらってしまえばいいという意見もあるが、現実的にはそうはいかないし、法律家の人にがんばってもらわないといけない部分もある。 
・思春期以降の子どものケアについては、ホルモンブロックもSRSも年齢制限をもうけるというよりかは、個人の身体の成熟度をかんがみて対応するように変更。 
・医者は何もしないのが中立的でいいことではけっしてなく、適切なケアをするべき。 

アトランタ (WPATH)2日目(2011/9/24)

昨日から新作のDVDを今夜の映画祭で上映してもらえないか、Hさんに主催者に交渉を試みてもらっていた。ホテルの部屋にメモを残してもらったり電話したり。それが今朝になって電話があり、見てから上映できるか決めますということでDVDをわたしにロビーにでる。朝ごはんは立食形式のバイキングでおいしい。ただで持っていき放題のジュースや水。さすが太っ腹。 

午前中、特別ワークショップに少し出る。その後サザンカンフォートの会場のコラボ講演を聞くためにみんなでタクシーで出るが運転手がまずくて1時間近くかかってしまった。使わなくていい高速とかに乗りやがってまじむかつく! 

タクシーメーターは58ドルを表示しているが、Hさんが20$で片を付けてくれた!!!すごい!!すごいよ! 
さすがサザンカンフォート、お祭りって感じ。 

すごいホテル貸し切ってるの。 

トランスの中でもTV(トランスベスタイト:異性装/普段は元の性別で暮らしてる人が多い。)系の人たちが多く参加している。 

TVな人たちの重量感、濃さがはんぱねえ!!西洋人とにかく縦も横もでかいよ!今年は21年目だそうで、記念のことをやっているっぽい。これまでの開催してきたポスター一覧。 

 

FtMと女子の脳の機能の差についての講演を聞くが通訳がないので意味がわからない。Hさんが交渉してサザンカンフォートの豪華ランチにどさくさに紛れて入る。めちゃうまなチキンカツとそうめんパスタ。 

サザンカンフォートの人たちのアピールや短いプレゼンの後、スタンダードケア7版のことについての講演を聞いた。その後、喫煙コーナーでひとしきり日本のGIDについてHさんと語らって、日本からの数少ない参加者のM先生といっしょにタクシーでエモリーに戻るがインド人嘘つかないみたいな運転手がメータースイッチ入れてなくてまたひともんちゃく。(ほんとに「インド人嘘つかない」って言ってました!)タクシーで映画の上映可能の連絡が入ったのであいさつ文を考えてHさんにあいさつ文を英訳してもらった。 

Hello, My name is Tsukumo. I am a transgender film director. I would like to thank JAE to allow me to introduce my latest pilot film at this festival. This film is about elementary school kids meeting LGBT. I made this with a hope that it would serve as education material. It’s still working on in, but I hope you’ll enjoy it. 

ホテルで同室Mさんは大学院生で、今回の発表はスポーツとトランス。 

最近オリンピックの委員会がトランスについて、オペとホルモンしてたら望みの性別での出場を許可したという経緯があるんだけど、日本ではどうなのかとか、アメリカでどんなプロのスポーツ選手(トランスの)がいてその状況は、みたいな話だったんだけどやっぱり英語が意味わかんないのでちゃん理解できず。その後Hさんは学生時代の同級生の家へ行くのでそれぞれ行動。 
キャッシュバーにパソコンを持って行って、歓談している人たちに声をかけ、5分の映像を見てもらったらとても好評で、それくれと言われた。名刺を配って、本編が12月にできあがったら郵送すると言ってみた。自分の片言英語でも相手にしてもらえるとうれしい。FtMの人と少し話して、甥と姪がいるけど、家族と仲が良くないので彼らに自分のことは言えないと言ってた。イケレズのように見えるFtXな白人の人とも少し話した。こういう取り組みは重要だと言ってもらえた。その人たちに7時からの映画祭で長い方の映像が流れることを宣伝しておいた。 

地下の会場で7:00-11:30で映画祭。シアター風の部屋なので部屋の入口にポップコーンの機械が。もちろんフリーなので好きに食べられる。 

最後から二番目に上映してもらえた。ジェンダースペクトラムという団体が学校に啓発活動をしてて、その映像がたくさん流れてよさそうだった。体系的にしっかりした学校介入をしているようす。学びたい。 
隣に座ったカナダから来たというおばちゃんが話しかけてくれたので少し話す。自分の映画がこのあと流れることと、自分の自己紹介を少し。でもおばちゃんがどんな人なのか聞くことはできなかった。残念。 

自分の番になるとあがってしまって、片言英語に拍車がかかって困った。でも映画祭の主催者のジャエさんに手ぬぐいをプレゼントできた。10時近くなっていたのでけっこう人が帰ってしまって20人ぐらいだったけど興味津々な感じで見てもらえてよかった。 

ついでにカムアウトの5分の方も見てもらえた。映画は途切れなく長し続ける形式だったので、質疑の時間はなかったのが残念だった。ジャエさんと記念撮影。 

11:30、Hさんが帰ってきてて同級生の話をしてくれた。すごいセレブだったらしい。 
シャワーして寝る2時前ぐらい。 

アトランタ (WPATH)1日目(2011/9/23 )

朝4時に起きてシャワーをあびて空港へ。8時半の成田行き。空港でチェックインすると3回乗る飛行機のうち2個は窓際がとれた。窓際大好き。しばらくすると今回の旅で私がくっついてまわるHさんとばったり会って共にゲートへ。今回はノートパソコンを持っていくので搭乗時の検査の時にいちいちかばんから出さないといけないんがめんどうだ。重いし。そしてパソコンのカバンをけっこうこの一か月捜し歩いていたんだけど、いいのが見つからず、値段とか耐久性とか、角ぶつけたら心配なカバンが多くて考えあぐねていたんだけど、結局自分で作った。百均のA4サイズのふわふわの袋とコーナンの養生クッション(最強)を組み合わせたもので角が当たっても全くへっちゃら!な出来です。なかなかよい。合計345円。 

成田へは1時間。そういえばはじめて国内線に乗った。成田からシカゴまで11時間弱。さらにシカゴからアトランタまで一時間ちょい。 

映画とかは見ないで、あっちで見てもらう新作の映像のスクリプト(この旅行のために恋人が速攻で翻訳してくれた)を読んだり、地球の歩き方を読んだり、寝たり。11時間とかあっという間だよね。途中で見た朝焼けが超綺麗で感動した。 

隣に座った母息子家族はどうやらちょっとええとこの人らしく、海外旅行慣れしている親子で、今回はシカゴにすむ双子の息子の弟の方にふたりで会いに行くとかで、乗っている兄の方はパソコンで次回出版するという本の校正をしていた。私ぐらいか私よりちょっと若いぐらいのイケメンであった。 
シカゴについたらけっこう時間がなくてすぐにゲートに行かなきゃなんだけどいったん荷物を受け取って入国審査をしてまた荷物を預けてアトランタ行に乗る。入国審査の時のおっさんがめっちゃ早口で話しかけてくるのでネイティブ並みの英語人の友人も早口すぎるわおっさん!とか言っていた。何しに来たのとか聞かれて友人がカンファレンスがあってと言うと、ほんとに?バカンスみたいなかっこうじゃん、とかいろいろ会話してたらしい。おっさんしゃべりすぎらしい。私はまったく聞き取れず!入国審査ではアメリカならではなのか、5本指をスキャンしてその場で顔写真を撮った。 

入国検査を終えて荷物身体検査のとこにいくと、普通のゲートじゃなくてたまにランダムに身体検査をさせられる人いるやん、それにあたってしまってお前あっち通れみたいに言われたので何か透視してるような箱の前に立たされたあと、触って検査する場面になると、なんかもたもたしてるから先に出てた友人に「なになに?」と聞くと友人が空港職員の人に聞いてくれたら職員が「ええ?!」となって男子職員ではなく女子職員がやってきて私の体をとまどいつつ検査した。どうやら男に見えたらしく、男子職員が検査しようとしてたんだけど友人が私のことをHERと言ったので、じゃ女子が検査しないと、となったらしいけど、女子職員は男子職員とめくばせしながら「へえ、なるほどね(これで元女子なのねえ)」という風な。でもさ、私のカバン調べてコンタクトの液があったから次回はちゃんとカバンから出してね、と言ってきた空港職員めっちゃFtMじゃん!!!FtMじゃないかもしんないけど、めっちゃボーイッシュなレズタチじゃん!!と思いました。
今回は私は嫌がらせとか受けなかったけど、こういう時に嫌な目にあったり、別のところに移されて必要以上の嫌がらせを受けることがあるらしい。トランスの友達も言ってた。興味深い体験でした。男性ホルモンを打って11か月になるけれど、自分がどれだけパスがしてるかわかんないからこういう時微妙よね。 
シカゴの空港で見ただいぶ創作されたSUSHI。 

シカゴからアトランタまで1時間ぐらい。小さい飛行機でけっこう揺れた。アトランタにつくと荷物が流れてくるところがわかりにくくって手まどう。空港からホテルまで地下鉄とバスで行くかと思ってたんだけど友人の荷物が大きかった(巨大、私の二倍ぐらい)のでタクシーにすることに。そいでタクシー乗り場にやっとたどり着くと乗合タクシーがふつうのタクシーより安いらしいので乗合にすると、これがまた待たされること!けっきょく40分ぐらい出ないので普通のタクシーにした。アトランタはアメリカ南部なので黒人率が高いとのことだけど、確かに言われてみたら黒人の人多い。 

ホテルにつくと大きめのツインと言われてたけどけっこう小さいやん。バスルームも小さいし、なによ、アメリカンサイズ期待してたのに。この2人部屋を3人でシェアするのです。 

テレビをつけたらエレンをやってて友達がアメリカで一番有名で成功したレズビアンだと解説してくれた。すげーかっこいいレズタチだね。アメリカでは日本とは逆で、オネエキャラはほとんどいなくて、売れないそうです。その代りブッチなレズビアンがポピュラーらしい。LGBTの中でも大衆がぎょっとしないタイプの部分が出てくるようす。日本のテレビ界ではおもしろおかしさが必要とされるのでオカマキャラになるのでしょうなあ。 
バス停にエレンの巨大なポスターを発見。かっけー! 

私たちのホテルのすぐ後ろの大きなホテルが今回の学会の会場なので受け付けをすませに行く。いろんな人種のスタッフがいるんだけどアジア系の人にやはり安心感というか親近感を覚えてしまうね。受け付けのあとは特にイベントはないので、シャワーあびて夕飯へ。南部の家庭料理で有名なお店に行ってきました。 

しかし、すごい混んでたので近くにあったドーナツ屋であしたの朝飯を買う。 

最近日本にも進出したという、例のクリスピー・クリーム・ドーナツですよ!おいしそうなドーナツが陳列されている隣は、ドーナツ工場が見えるようになっていて、ずんずんドーナツがベルトコンベアに並んで流れてきておりました。にしき堂のもみじ饅頭を思い出した。あそこも作ってるとこ見えるのよね。 

地球の歩き方に書いてあったフライドチキンとか野菜の煮物とかを注文。グリーントマトの串カツみたいのがへえーって感じでした。 

アトランタの名産物はチキンだそうで、さすがに肉がふわふわでジューシーでおいしかったー。サラダが驚愕の小ささでがっかりでした。アメリカンサイズを期待してたんだけど、日本のファミレスより一回り小さいぐらいのサイズ。 

名物のピーチパイも。これもサラダみたいに小さくて、まあ、食べきりサイズでよかった。 

ホテルに一緒に泊まるもうひとりの友人は入国審査で待たされてなんとフライトを逃したのだとか!そんなことって!ひどい!深夜につくということで到着をまった。にしても12時間の時差ぼけでつらくて1時半ぐらいには寝た。 

アトランタWPATHに行ってきました。2011年9月24~28日

2011年9月24~28日にかけてアメリカのアトランタで開催された、World Professional Association for Transgender Health (WPATH)(トランスジェンダーの健康についての専門家協議会、ダブルパス)に行ってきました。各国からトランスジェンダーについて活動している専門家、当事者が参加しています。今回のテーマは、Transgender Beyond Disorder:Identity, Community, and Healthです。Emory Conference Center(エモリーカンファレンスセンター)という学会などを開くためのホテルと会議場が一体化した大きな施設でした。私たちはその施設の一角にあるホテルに泊まりました。この会議とともに開催されたthe Southern Comfort(サザンカンフォート)は全米のトランスジェンダーが集まるお祭りです。あの映画「ロバートイーズ」がサザンカンフォートに参加するのを励みにがんの闘病をしていたアレです。このサザンカンフォートの参加者は900人超え、WPATHの参加者はたぶん300人超え、また一緒にコラボレーションしたGLMA(Gay and Lesbian Medical Association)という組織もあったのでたくさんの人たちがアトランタに集まっていたようです。 

今回のこの会議の目玉はなんといっても、性同一性障害GID:Gender Identity Disorder)という言葉を撤廃したことです。それに代わってGD(Gender Dysphoria:ジェンダーディスホリア:性別違和)という言葉に統一しています。このことで日本のGID業界はまたすごい混乱に陥ること間違いなし!笑。この大改訂にもかかわらず、日本からは7人しか来ていないので、トランスの国際世論(とはいえ白人中心主義だけど)からはどんどん遅れを取っていくと思われます。どうせなら中途半端に医学概念なんか取り入れずにタイとかみたいに文化慣習で貫けたらよかったかもねー。とか言っても他の分野の欧米化が激しいのでそこだけアジアぶっても無理か。 

WPATHのサイトからスタンダードオブケア第7版がダウンロードできます。 
http://www.wpath.org/ 

まあ、旅のまとめとしては人間は本当に多様(今回は特に人種、体系、言語が印象的でした)だってことと、英語ができた方がいいってことと、コミュニティでできることってまだまだあるってことかな。(ざっくりまとめすぎ。) 


●以後の日記を読むための基本的な用語説明 

トランスジェンダー(性別を変えて生きる人たち) 
FtM(女→男) 
MtF(男→女) 
・トランスユース(トランスの若者) 
・トランスする(性別を変える) 
トランジション(性別を変える作業) 
・SRS(性別適合手術、昔で言う性転換手術) 
・3点セット治療(トランスジェンダーが性別を変えるために踏む3つの治療ステップで、カウンセリング、ホルモン療法、SRSのこと。ちなみにもうこの3点セットは古い概念で、個人の状況に合わせてランダムに組み合わせて適用するようになっています。) 
LGBTレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー) 

「No LGBT History, No Equality」

www.youtube.com

 

ワシントンDCマタシン・ソサエティ制作のビデオ

「No LGBT History, No Equality」

 

(あなただけを、ハリウッドの丘の上である秘密のスペシャル・パーティにご招待しましょう)

(招待客リストなんて存在しません。「マタシンが来てもいいって言った」が合言葉です。)

 

ハリウッドの丘の上にある邸宅のドアのベルを鳴らして中に入ると、そこはもう本当に別世界で、日常とは完全に隔離した素敵なゲイパーティでした。そこにいるみんなはもう完全に日常のことなんて忘れ去っていて、そのゲイだけの空間で生き返ったように楽しんでいました。そりゃもう本当に楽しかった。

(音楽:ローマの春 著作権の許可を得て使用しています)

(この動画を撮った人は)きっと確信があったんですね。自分たちがそこでここぞとばかりに思う存分羽を伸ばしていたその様子を、ちゃんと動画で残して、後世に伝えなきゃいけないって。そう思って当時の人たちはこの動画を撮影したんですね。当時の人たちのその思いを、後世の私たちが継ぐことができるように。

(ワシントンDCマタシン・ソサエティ会長 チャールズ・フランシスさん)

彼らの日常生活は、過酷なものだった。だって、彼らは世間では犯罪者として扱われたわけですから。彼らを犯罪者とする法律がちゃんと存在する中で生きていたんです

(性倒錯者の新しい治療法見つかる、の新聞記事)

犯罪者であるだけでなく、彼らは「気狂い」で精神異常者だとされていた。そしてキリスト教的にも地獄に落ちた忌々しい者たちだとされていた。

だから、このハリウッドの丘の上の邸宅であるパーティだけが、彼らが自分らしくそのままでいることが許される空間だったわけです。

こういう時代があったということを、私たちは決して忘れてはいけないのです。

 

(V.L.コックスさん ニューヨーク在住のアーティスト・アクティビスト)

レズビアンやゲイの人たちの歴史を、私たちが積極的に知ろうとすることは、私たちにとって欠かせないことです。

ホワイトハウスのゲイ迫害の史実を暴く記事)

なぜかというと、私たちの過去や歴史は、これまでずっと抑えつけられ、隠されながら、影のように実体の無いことにされて来たからです。

(プライドマーチの企画をしている証拠写真

その影のような昔にあった出来事や事実を、明るみにできる時代がようやく今やって来たのですから。

 

(チャールズさん)

(プラカードで「社会制度による同性愛者の迫害をやめろ」「同性愛者も幸福を追求する権利がある」などのデモをする歴史動画)

もう私たちの存在や過去の事実を、誰にもなかったことにさせてはいけない。奪われた私たちの歴史を取り戻すのです。もう誰にも私たちが存在しなかったことにさせるわけにはいかない紛らわせやごまかしの偽装事実やでっち上げで私たちの存在を溺れらせてはいけない。

 

(コックスさん)

今この国では、私たちの過去と現在の存在をかき消して、私たちが堂々と生きることを阻害して再び昔のように影に追いやろうとする力が勢いを増しています。

(より多くの同性愛者を異性愛に転向させるべきだ、という昔の論説記事)

だからこそ、いまを生きる私たちが、昔私たちがどのような扱いを受け、どのように存在を消され続けて来たかということを知り、そのことをしっかりと覚えておくことで、そのような時代に引き戻されてしまわないように自覚しておかなければならないのです。

(本「同性愛者治療のための行動療法」)

 

(チャールズさん)

自分が過去から繋がった存在として、私たち自身の歴史を共同認識すること。そしてその歴史を紡いでいく作業を誰にも譲らず、私たちが自らの手で行なっていくこと。

歴史を獲得せずして、平等を獲得することはできないのです。No History, No Equality.

(きんじさんが訳してくれました。)