LGBTQ洋書読書会とか

新設Cチーム企画主催者が、元々は「リバティおおさかを応援する!」というブログでやってましたが、引っ越ししまして、最近ではLGBTQの洋書読書会やその他の情報をごった煮状態で掲載していますv

WS報告「リーダーシップと行動のための養成グループのレセプション:急進的な対抗としてのLGBTQの歓喜」

「リーダーシップと行動のための養成グループのレセプション:急進的な対抗としてのLGBTQの歓喜
Academy for Leadership and Action Reception: LGBTQ Joy as Radical Resistance!
1/20(金)8:30-10:00pm
【プログラムから概要】
急進的な対抗としてのLGBTQの喜びと芸術のパワーを祝いながら、新しい人たちと出会い交流しましょう。有色人種の人たちが毎日直面している受け入れ難い不平等や暴力から、連邦議会での宗教的理由による適用除外やトランスジェンダーへの攻撃まで、主催者は運動を通して多くの困難に立ち向かいました。食べ物や飲み物(アルコール含む)を楽しみながら、芸術、真心、笑い、感謝の気持ち、そしてコミュニティを感じるひと時のために、リーダーシップと行動のための養成グループに参加してください。LGBTは信仰的に間違っているとか、LGBTは信仰を持たない人などという間違った考えを壊すために頑張っている仲間たちからの報告があります。宗教の名のもとに行われている危害に対して、私たちが再度取り組むことが重要であり、私たちの夢と人種と性別の平等を実現していきます。再結成、反映、再貢献、大騒ぎをしに来てください!
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ホテルの会場には軽い立食パーティのようなセットがあり、食べ物や飲み物も無料だった。(お酒は有料。)椅子付きのテーブルや立って食べる用の高いテーブルには人がぱらぱらと集まって歓談。そんなに人は多くなく、50人ぐらいだったと思う。いろんな団体が団体紹介をする時間だと思ったら違った。レセプションは、この大会主催団体の取り組みの紹介とお金集めのためだった。
この大会運営のために多くの人が関わっていることが説明され、会場の人も多くが運営スタッフのようす。若者リーダーとして大会で動いてきた若者がPPTで写真を見せながら、どのようにリーダーシップを学んできたかを振り返って説明していた。この人は黒人のトランス男性で、親にトランスを反対され田舎から一人で出てきて、はじめての都会に心細く思いながら大会のスタッフに加わり、大会代表者に育ててもらったことを涙ながらに語っていた。大会準備のため、いろんなファンドレイジングや宣伝のキャンペーン、リーダー養成合宿みたいなのもやっているらしく、コミュニティ形成にしっかり時間を使っていることがわかった。その他の若いスタッフも自分の体験、成長、どれだけ自分の人生がこの大会に関わることで変わったかを語っていた。
若い才能を応援するということで、黒人の女の子やトランスの中高校生(どちらも詩人として有名な子たちらしい)をレセプションに招待していて、報告の合間合間に詩の朗読を披露してくれていた。詩の朗読って日本ではあまり出し物として聞かないけど、こちらでは割とメジャー。パーティの出し物や、感謝の気持ちのスピーチの中に織り交ぜたりと身近なもののようだ。韻を踏んでたりリズミカルだったりするんだけど、残念ながら私の英語力では聞き取れないし意味はわからない。でもすごい拍手喝采だったので若者たちはすごくいい感性を発揮してたんだと思う。こうした中高生を読んでこれるのがまずすごいよね。中高生でカムアウトしてるってことだし、大会が旅費出してても、親とか家族が協力的でないと来れないだろうし。

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(写真は中心部の公園にあるロバート・インディアナがデザインLOVEモニュメント。フィラデルフィアの重工な趣の建物の中に突然現れるポップな存在感がよし。本文とは関係ありません。)


大会の代表者は毎年変わるのか、今年で任期が切れるのか、代表者に花束贈呈と複数の人から感謝のスピーチがあった。大会運営チームの代表者は中年の黒人男性で、その他の会場にいるスタッフもハグをしに行ったり泣いたりしていて人望のある人なのだなーと思った。(運営はフルタイムの職員なのか、ボランティアなのかは不明。)このレセプションを司会で仕切っている人も黒人女性で、表に出る人種のバランスを意識的に調整しているようにも感じた。白人至上主義で白人優位になりがちな場、有色人種が排除されたり周辺化されている社会でいかにフェアな場を作るかは本当に白人側が意識的にやらないと変わらないことだと思う。(余談だけど、トロントでよく行くMCC(メトロポリタンコミュニティチャーチ/カナダ最大のLGBTQの教会)では60%ぐらい白人なんだけど、それを意識してるのか、実際の人種割合とは逆で使われる写真などでは70%ぐらい有色人種だ。←ミサの間、聖歌の歌詞などが大きなスクリーンに映し出されるんだけどそれに写真が入ってたり背景が写真だったりする場合。)
レセプションの最後には、再びスタッフがこの大会運営者養成プログラムがいかに重要かを熱く語り、そのためには2000ドル(24万円)の寄付が今日必要ですと訴えた。コミュニティの若者の未来を変えるため寄付してくれる人はいませんか、私たちの未来への投資だと思って協力してくれませんか!と強く訴える。静まり返る会場。きょろきょろ誰が手を上げるのか興味津々で眺めていたら、年配女性が挙手した!半額出すという。そこで司会者がもう半額を手伝ってくれる人いませんか?と呼びかける。出てこないので、500ドル寄付してくれる方、2人いませんか?するとスタッフと思われる人が挙手。司会者はその人にコメントを求めると「このお金がどう有意義に使われるか私はスタッフとして知っているので」と言っていた。司会者はさらに、100ドルを5か月寄付してくれる方いませんか?と寄付の敷居をだんだん下げていく。そこでぱらぱらと手があがり、2000ドルの寄付が確定したようだった。米式寄付の集め方、勉強になりました。中には寄付の使い道を指定するような人もいて面白かった。

私が日本でイベントを企画していた時は、インターネットなどを駆使して、いかに短期間に少ない会議回数で効率的に本番まで持っていくか、ということを重視していたように思う。コミュニティ作りという観点からは、時間をかけて植物を育てるみたいにじっくりと人間関係を作っていくことが大事かもしれない。このレセプションに参加して、大会というイベントをあらゆる角度から活用してコミュニティの発展につなげているなあと感じた。長時間労働、休日出勤が珍しくない日本で、こうしたコミュニティ作りをそのままマネすることはできないが、人間関係作りがコミュニティ作りと考えるなら企画の仕方を工夫していけるかもしれない。