LGBTQ洋書読書会とか

元々は「リバティおおさかを応援する!」というブログでしたが、引っ越ししまして、最近ではLGBTQの洋書読書会やその他の情報を掲載しています。

(WS)クリスマスの家族の集まりでの人種差別発言にどう対処するか

f:id:lgbtsougi:20171212144423j:plain■ “How to Interrupt Racist Comments at Holiday Dinner this Year”(2017/12/11)

SURJ(Showing Up for Racial Justice) TORONTOという、人種差別に対抗する白人のグループのワークショップがダウンタウンの教会であって参加してきた。今回のテーマは、クリスマスシーズンの家族の集まりで出てくる人種差別発言をどう扱うかというもの。30人ぐらいの参加。ほとんどが白人で、アジア人は二人、黒人が一人。男性も4,5人で女性が過半数以上。ベジタリアンのピタみたいなのと、生のフルーツ、お湯とちぃーバッグなどが用意されていた。
https://www.facebook.com/surjto/

■雪のため25分遅刻で参加したので会の概要とか聞けなかったが、Education, Fund rising, Family and kid, Communication, Building basis, Actionの6部門に分かれて組織の活動を担当者が説明する時間を設けていて、参加者にチームのどれかに入って活動をしてほしいと呼びかけていた。3つ聞けたが、CommunicationではFBのポストやMLの発行、ニュースの収集や呼びかけなどをしているとのこと。Building basisでは運営メンバーがどうやって地域に根差した活動をしていけるか、学校、コミュニティ、教会、警察など巻き込むべきところと具体的な活動、地域をどうするか検討しているところらしい。 Actionでは、BIPOCの組織からの協力要請や支援をしていて、ラリーやデモがあれば頭数として参上するよう呼び掛けたり、実際の実働部隊としてイベントを手伝ったり、イベントやデモの時に子守りをしたりなど。そういう助っ人活動をするための初心者向け研修も計画しているらしい。

■ファンドレイジング部門からのお知らせがあり、団体は立ちあがって1年だが、これまでの活動で集めた資金は300万円にのぼり、BIPOC(黒人、先住民、有色人種)の団体の活動資金になっているとの報告。素晴らしい!それから、BIPOCの人が病気やケガなどで困った時に使えるような、緊急時基金として、今日ここで1500ドル(約14万円)を集めたい、との宣言!Creative Changeでもやっていたような同じやり方のファンドレイジング手法だ。1500ドルからはじまって、だんだん値段が下がっていき、200ドルの時点で一人が挙手!拍手が起こる。150ドルでも、100ドルでも手があがり、20ドルでもばらばらと手が上がった。その後、寄付のレシートはこちらとか、現金の方はこちらとか、クレジットカード決済の場合はこちらのケータイで処理しますなどと担当者からさくさく集金の段取り。

■椅子を丸く並べて、ワークショップの始まり。アジェンダ、ゴール、アグリーメントなどが書かれた模造紙を説明してくれたが、写真撮るの忘れた!!うおー後悔。。。
簡単な自己紹介が回された。名前、性別代名詞、家族と人種の話題になった時の自分の内心を表すというもの。ほとんどの人が、ギャーとかOMGなどのリアクションをしていて、人種の話題は難しいんだと改めて知った。
ウォーミングアップに、いろんな速度で歩き回ったり、ストップと言ったら歩いて、ブルーと言ったら止まる、自転車と言ったらドアを開ける動作、ノック?と言ったら自転車をこぐみたいな、混乱するけど面白かった。二つ目のウォーミングアップは、右となりの7人目の動きのマネをするというもの、大げさにしたり、細かく真似したり、最終的には皆同じような動きをしていたのが面白かった。三つ目のウォーミングアップは、隣の人が手をたたくタイミングに合わせて手をたたくというもの。順番に隣の人に同じようにしていく。早くしたり、一週しない内に次のアクションが起こったりなど。

■クリスマスで集まった家族が人種の話題で衝突する寸劇。一度見てから、どのようにシナリオを変更して状況を改善できるか考えるというもの。具体的には、登場人物の一人を選んで参加者が入れ替わり、代役をする。その場で考えて即興で演じるってレベルが高くないですか。。。
寸劇の内容は、子どもとそのパートナーがクリスマスディナーで両親とくつろいでいると、テレビで先住民へのファンドレイジングのニュースが流れ、母親も父親も、政府が先住民支援に予算を当てていることについて、やりすぎじゃないか、長年やってるからもういいじゃないかなどとコメントし、こどもがそれに対して先住民の状況が改善されてないことを主張するが、母親は今朝も新聞記事を読んだから知ってるなどと返し、こどもは感情的になり、親は非難されていると感じて衝突になり、子どもが退出するというもの。こどものパートナーは終始沈黙。

ファシリが寸劇についての感想を参加者に求めると、はー、うちの家族もこうなるわー目に浮かぶわーみたいな身につまされる感じの人が多いようで若干重苦しい雰囲気に。ファシリが同じ寸劇をするので、止めたいところでストップと言って自分のシナリオを演じに介入してくださいと説明。
二回目がはじまり、こどもが感情的になってきたところで、ひとりの参加者がストップをかけて、こどものパートナーと入れ替わり、演じた。元のシナリオではパートナーは黙ってその場にいるだけだが、この人は、親との対話を試み、こどもの擁護を試みたようだが、母親はあなたが口出しすることじゃないなどと冷たい。(残念ながら英語が早くて聞き取れず・・・)ビジターの立場では声を上げにくいが、対話の価値はあるだろう。母親役からは親だったら自分の家で他人がこどもの扱いや家庭内のことについて口を出してくるのは不快だろうね、などとリアルな意見。
三回目の演技では誰もストップをかけなかった。その後の意見交換である参加者が、自分なら質問戦略で行くと言っていて、ファシリが演じてみて!と促し、こどもの演者と交代してチャレンジ。母親にどんな記事を読んで何を知ってるのかなど、非難ではなく、質問することで対話を試みる作戦。途中までよさげだったが、先住民の改善されない状況を説明する中で、「特権」という言葉が出た瞬間、母親が親の世代も自分たちも貧しい中で一生懸命働いてここまで来れた、プールがあるような豪邸に住んでいる人たちには到底及ばない清楚な暮らしを特権などというのは先祖と私たちに対する侮辱的だという切り返し、父親が無言で退室。こども「こうしてクリスマスでディナーをみんなで食べれてる私たちと同じように、先住民の人達もそれができるぐらいの状況であるべきじゃないか」母「私たちのことではなく、彼らの話をしましょう」という感じでファシリが終了させた。

参加者の感想では、みんな一生懸命働いてて、でも白人だからそれが報われて暮らしが良くなるけど、先住民の場合は同じだけがんばっても報われない状況が続いているのが問題との切り返しを提案。クリトリスで田舎に帰る参加者からは、こうした話題/考え方は都会の人が持ってくるものだと思われていて、耳を貸してもらえない、など。にしても、今回は母親役から前よりも座っていることが可能な気分だったと感想がでて、「主に質問して、ジャッジしない」という態度は有効なようだった。父親が退出したことについて、参加者がふたりの人を同時に対応するのは無理だから、一人一人対策が必要との意見。
最後、全員にどんな手でいくかを締めでまわしたところ、多くの人が質問戦法でいくと答えていた。寸劇を見ているだけでしんどくなってきたという人もいた。衝突が起きる原因は、人種の話題だからではなく、家族との関係性が根本的な問題としてあるという意見も納得。議論になった時に証拠となるような知識も備えておく必要がある。役者からも演じてみて、差別発言をする人が指摘を受けてどういう気持ちになるかわかったので、聞く態度を見せたり断定的に相手を差別者扱いしないようにすることなどを忘れないようにしたいなどの感想。休暇前のすごく具体的な対策となるワークショップで満足度が高ったように思う。
ていうか、演者たちがすごくよかった!

ところで、LGBTQの存在が当たり前という感じに扱われていて、寸劇のパートナーについて語る際もLGBTQであり得るのは当然という雰囲気だし、参加者も同性のパートナーについて話したりなどすごくそういう意味で安心な会だった。
残ったピタやマンゴー、アボカドをもらって帰宅。

トランプ以降、白人優位主義者の行動が目立つようになって来てから、白人たち自身の間でもこうのような抵抗活動が起こっているのはしかるべきことだ。やってもわらないと困る。白人自身で自分たちの差別意識に立ち向かってもらわないと、正直BIPOCがいくら抵抗したところで、白人が牛耳っているこの世の中を根本的に改善するのは無理。この団体の取り組みやスタンスは、本当に自分の人間関係から、地道に人種差別をなくしていこうとしている意気込みが感じられていいなと思った。参加者の白人が、いとこの白人にこの団体で活動していることをクリスマスの家族の集まりで「カムアウト」しようと思うと言っていた。

これまでLGBTQの活動をするなかで「それぞれ、できる場所から、できることをする」という前提があった。家族にカムアウトできなくても、社会に働きかける手段はたくさんある、と。でもやっぱり家族や近しい人たちなど実際に人間関係がある人と対話できることが、社会を変える最も確実で最短の道だろうとは思う。それがしやすいように、どのような環境を仕組んでいけるかを考えたい。この団体がやっていることは、とても参考になりそうだ。

LGBTQIサバイバーを含めた支援サービスのための議論のネタ

「Providing Services to LGBTQI Victims」の続きに議論のためのネタが出ていましたのでざっくりながら訳です。回答例とかないです。ネタふりのみっ

 

P238 議論のための質問

 1

異性愛と自覚する人が、同性からの暴行を受けており、「同性愛でない」ということを特に主張している。暴行について話をする際、この人は同性愛者に対する侮蔑語を使ったり、中傷する発言をする。このサバイバーに対してどのように話したらいいだろうか?この人の同性愛嫌悪をどのように扱ったらいいだろうか?もしこのサバイバーがシェルターや支援グループにいる場合、この状況にどのように対応したらいいか考えてみよう。

 2

あなたの勤める支援機関の中で唯一カムアウトしているクィアの職員は、LGBTQIと自認するサバイバーが来るといつも必ず担当させられている。組織はこの暗黙の了解のようになっている一人の職員への負担軽減のために何ができるだろうか。全ての職員がLGBTQIのサバイバーを担当できるようになるために、どのような研修や情報提供が可能だろうか?組織内でLGBTQIかどうかに関わらず、支援を受ける際、サバイバー自身がどの職員が大丈夫かどうか確認しなければならないような状況があるならば改善しよう。

 3

一人のサバイバーがあなたの電話相談にかけてきて、性的暴力にあったことを話したが、加害者の性別がわからなかった。その相談電話の内容から、あなたはLGBTQIではないかと推測した。同性間での性的虐待だと知られることによって、サバイバーはどのようなことを懸念しているだろうか?もしサバイバーがそのことを話した時、あなたはサバイバーの懸念について何かできることはあるだろうか?サバイバーの懸念に配慮した形で、どのようなことを尋ねることができるだろうか?(例。危害を加えた人の名前は何ですか?加害者とはどのような間柄ですか?)

 4

あなたの勤める支援機関に、LGBTQIのサバイバーへの支援サービスを避けている職員がひとりいる。その人はLGBTQIの人のアイデンティティ、身体、経験についてどのように話したらいいかわからないと感じているためだ。緊急の場面でもサバイバーに質の良い支援を確実に提供するために、どのようにこの問題をその職員と共に改善できるだろうか?また、緊急時でない時、この問題をどう扱ったらいいだろうか?(研修の機会を設けたり、報告説明会を持つなど?)

 5

あなたの機関の全ての職員が、性的虐待を受けたLGBTQIのサバイバーに特化した対応の研修を受けたにもかかわらず、LGBTQIのサバイバーへの粗末な対応があったとか、LGBTQIコミュニティから機関が信頼されていないということが、あなたの耳に入ってきた。支援機関を安全な場所にするために、LGBTQIコミュニティでの機関のイメージ改善のために、同性愛嫌悪、トランス嫌悪にまつわる過去の問題について、何ができるだろうか?

 

Providing Services to LGBTQI Victims

Sexual Assault Advocacy &Crisis Line Training Guide

A Crisis Intervention Resource for Sexual Assault Service Providers in Colorado

Colorado Coalition Against Sexual Assault 発行(4th Edition, 2011)

http://www.ccasa.org/wp-content/uploads/2014/01/sexual-assault-advocacy-and-crisis-line-training-guide.pdf

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Providing Services to LGBTQI Victims 29-35 (P234-237)の部分だけを訳しています。

 

【LGBTQI被害者への対応】
これまでこのマニュアルで話してきた通り、性的虐待は人種、民族、階級、年齢、ジェンダー、性的自認、性的指向に関わらず誰にでも起こり得る。知人から性的虐待に合う危険性はLGBTQIコミュニティと異性愛者とはおよそ同じ確率である一方、同性愛嫌悪、バイ嫌悪、トランス嫌悪はLGBTQIの人々を性的暴力も含めて、暴力の被害者になる危険性を大いに高めている。
加害者が被害者をある特定のグループに実際に属しているか、属している加害者が見なし、標的にした時、ヘイトクライムが起こる。加害者は“罰する”目的で性的暴力を使うかもしれないし、その人の性的指向や性的自認/表現を屈辱するかもしれない。
トランスジェンダーの人々は、性別規範に沿わないことや性的指向を憶測されることによって、よく嫌悪暴力の標的となる。トランスジェンダーの人々に対するヘイトクライムは特に暴力的な傾向がある。例えば、専門家はアメリカのトランスジェンダーは、普通の人が18000人に1人の確率で殺人に合うのに対し、12人に1人の確率だと見積もっている。
2008年の報告によるとアメリカ中西部、西海岸ではかなりLGBTへのヘイトクライムが増加しているとのことだ。

 

【LGBTQI被害者がサービスを求める際の障害】
・全てのサバイバーと同様に、LGBTQIと自認するサバイバーも被害の後に恐れ、自責の念、怒り、恥、ショックなどを感じている。
・抑圧と偏見のため、異性から暴行を受けた被害者よりも、同性から暴行された被害者の方が、警察に被害を報告しなかったり、支援サービスを探し求めない傾向にあるかもしれない。
・サバイバーは、刑事司法制度や医療機関、その他の支援サービスで、対応者からの無神経さや同性愛嫌悪、バイ嫌悪、トランス嫌悪に晒されるのを恐れているかもしれない。
・LGBTQIのサバイバーは、支援を求めた先に対して、LGBTQIのサバイバー特有の問題について教育しなければならないことがよくある。
・孤立を感じることは特にトラウマ的だ。なぜならLGBTQIの被害者は既に異性愛中心社会で孤立を感じているし、さらにLGBTQIのコミュニティのメンバーから孤立することを恐れているからだ。
・家族や警察、その他の支援者に助けを求める際、アウティング(勝手に性指向や性自認について話されたり暴露されたりすること。)されることを恐れているかもしれない。カムアウトする準備ができていない人たちにとって、これはに雇用、住居、教育、移民、経済的安全性、個人的安全性、プライバシー、個人的人間関係に関係した複合的な複雑さを招く要因となり得る。
・また、支援者によって被害者の経験をセンセーショナルに取り上げられたり、LGBTQIであることを不必要に重要視されたりすることが更なる障害となる。

 

【Q&A】
Q.LGBTQIの人たちはより性的暴行を行う可能性が高い?
A.ほとんどの性暴力の加害者はLGBTQIであるという有害な神話は、同性愛嫌悪に根差している。性的暴行の加害者の圧倒的大多数は、異性愛者の男性だ。性虐待の犯罪者についての画期的研究は、異性愛者の大人は同性愛の大人よりも子供にとって脅威であることを結論付けた。

Q.人々はLGBTQIと自認するのか?
A.LGBTQIは包括的な言葉で、個人を示す言葉としては使われない。例えば、主に女性と恋愛関係を持つ女性は自分のことをレズビアンクィアと自称するだろう。ほとんどの場合LGBTQIとは自称することはなく、むしろLGBTQIコミュニティに属していると認識しているだろう。各個人が異なる自己認識を持っているので、人々が勝手に彼らに合うあるいは合わないかもしれないラベルを貼る前に、彼らがどう自認するかを知らせる機会を持つことは重要だ。

Q.クィア(変態)という言葉を使うのは適切か?
A.クィアという言葉は多くの若者や大人から、恥や烙印を伴わない意味に再定義されて使われてきている。しかし、LGBTQIの中には無礼に感じる人たちもいる。どのようなサバイバーと接する場合も、彼らが自分たちを示して使う言葉を使うようにしよう。常に慎重に期すべきで、確信がない場合は使わないようにしよう。その言葉をいい意味で使ったとしても、聞き手がその文脈に馴染みがない場合、侮蔑語として捉えてしまうかもしれない。もしその言葉を使いたい場合は、きちんと使い方と文脈を説明する時間をとる方がよい。

Q.サバイバーの性的自認がわからない場合、どう対応したらいいか?
A.電話対応の支援者や病院への対応者にとって一番実用的なことは、性別ニュートラルな人称を使うことだ。また、本人が自称するまで、サバイバーまたは加害者の性的自認を憶測しないようにすることだ。誰が電話をかけて来たとしても、常に利用者が使う言葉と人称に合わせて使うようにすることだ。サバイバーの性自認を勝手に憶測してはいけない。また、サバイバーの性的指向から性自認を憶測することも間違っているので気を付けよう。性的指向性自認とこれらの問題とは別物だ。

その人の性自認は、その人本人が自分をどう見ていてどう自認しているか、どうジェンダーを他人に扱われたいかだ。サバイバーの性自認は生まれた時のものと同じかもしれないし、違うかもしれない。その人が感情的に、性的にまた恋愛的に惹かれる対象を示す性的指向性自認は関係はない。同性かもしれないし、異性かもしれないし、全てのジェンダーかもしれない。またこれは人生を通じて流動的だったり変化することもある。例えば、女性として生まれた人が男性の性自認を持っていて、男性に惹かれるとしたら、ゲイのトランス男性である。

Q.どうやってサバイバーの性自認と性指向についてたずねたらいいのか?
A.サバイバーに対応している時、自分が知りたいことと、自分が擁護者として知る必要があることと、分けておくことが大事だ。彼らの性自認と性指向を知ることは、彼らが受ける支援内容に関係ないかもしれない。どの三人称を使いたいかを聞くことは、擁護者として彼らの利益になるようにあなたが知る必要があることだが、性別再適合手術を受けているかについてはほとんどの場合、聞く必要はないだろう。もし弁護のために必要性があるならば、なぜそれを聞く必要があるか、どのようにその情報が使われるか、誰がそれを知ることになるか、なぜその情報が彼らとともに活動するのに重要になのかをきちんと説明しよう。彼らには、活動を共にするあなたとの関係に影響を与えることなしに、質問に答えない選択肢がいつもあることも確認されるべきだ。

個人間で、組織の中で、文化のレベルでも、トランスジェンダーコミュニティは本当に暴力に直面することが多い。下記の大度はフォージ・フォワードによって開発された。トランスジェンダーの個人の権利と生活のための支援、教育、啓発を使命とした革新的な組織だ。下記の“今すぐ使えるコツ”を読んでみよう。どのようにあなたの組織は、支援サービスを使いにくくしている障害を取り除くことができるだろうか。

 

【トランスの人たちを含んだ支援サービスにするためのポイント】
このガイドはForgeによって作られ、掲載許可を得ている。詳しくは下記サイトへ。
www.forge-forward.org for more information.

1、 言葉
利用者の希望する名前と人称を使うこと。彼らがいないところでも一貫して使おう。もし確信がない場合は本人に聞いて確かめる。もし利用者の性別化された身体部位について話し合う必要がある場合、彼らが使っている言葉をそのまま使うようにする。(例えば、胸ではなく胸部と言うとか。)

2、マナー
あなたが同僚と自分の性器について話をしないならば、おそらく利用者に対してそれを聞くことは適切ではない。その人の性器は彼らの社会的性別、支援分野、法的地位を決定するものではない。保護と支援のためにその情報を他者と共有することが本当に必要な場合でない限り、誰かがトランスジェンダーであることを話さないようにしよう。

3、焦点を当てる
利用者がどんな支援を必要としているかに焦点を当てよう。ほとんどの場合、トランスジェンダーの人が探している支援は、性自認に関係ない。トランスジェンダーの利用者は、あなたや同僚の教育的機会のために利用されるべきではない。

4、規則
あなたの働く機関が明文化した方針として、性指向や性自認に基いた差別を禁止していることを確認しよう。全てのスタッフがそれについて知っており、方針に従っていることを確かめよう。

5、立ち向かう
利用者が行き来する他の機関も含め「安全空間」施策があり、実施していることを確認しよう。全てのスタッフ、全ての利用者、誰であろうと偏見のある行動や発言は許されない。

6、書類関係
インテークのフォームやその他の書類で、性別記載の部分に利用者が書き加えることができるスペースを設けよう。またはトランスジェンダーの選択肢を付け加えよう。質問項目において、性的指向(どういう性別の人に惹かれるか)と性的自認(本人が自覚する性別)が適切に分けられていることを確認しよう。

7、知ること、伝えること
もし利用者に個人的または慎重になるべき質問をする必要がある場合、たずねる前になぜそれを聞く必要があるかを伝えるようにしよう。あなた自身がその情報がなぜ必要なのかを知らない場合は、支援のために適切でないし聞くべきではない可能性が高い。

8、力づける
利用者の中には、支援者が指導権を握ることを求めている人もいるが、多くの場合、利用者は自分が受けるケアや支援の方向性を自分で決めることを望んでいたり、またその能力を有している。もしその人に適切であれば、支援の提供の方法やアプローチについてトランスジェンダーの利用者があなたにどう扱ってもらいたいかを尋ねてみよう。

9、創造的になる
トランスジェンダーの人々は既存のシステムやフォームに当てはまらないかもしれない。あらかじめ決められたことや、合わないものを彼らに強要するのではなく、彼らのニーズに合うようにフォームやシステムの方を変更することで彼らを尊重しよう。

10、啓蒙する
いつであろうと可能な時に、どんな性自認の利用者にも合うように、システム、指針、フォームの変更を呼びかけよう。あなたの組織や分野でこうしたシステムの改善を呼びかけることが難しいようなら、トランスジェンダーの組織や催しでボランティアをすることも考えてみよう。

 

偽カムアウトレポート集計結果

ふと昔担当してた授業でやってた「偽のカムアウトさせてレポートさせる」という過激な課題について聞かれて、資料見つけたので投稿してみる。集計おもしろいよー。
偽のカミングアウトをしてレポートを書いてもらう課題を行ったのは、2010~2013年の4年間、関西学院大学のヒューマンセクシュアリティという武田丈先生の授業です。この授業は毎回セクシュアリティの専門家や当事者がゲストで話をするという内容の濃い科目です。私たちが担当する回はコースの中盤でしたので、学生がセクシュアリティについての理解をある程度深めており、この課題を課すのに耐えうると判断して行っていました。
負荷が大きく、自他ともに危険が伴う課題ですし、LGBTQ当事者の学生もいるので、偽カムアウトの体験レポートと、普通の調べもののレポートの2つから選べる課題にしていました。実施の際は、自分たちのカミングアウトの経験談を語り、緊張感や不安がどんなものか想像をうながしたり、実際に行う際、カミングアウトする相手が本当にLGBTQである場合も想定して行うようにと伝えていました。
様々な立場の講師からセクシュアリティジェンダーについて学ぶことによって「実際にLGBTQの気持ちや状況を理解するために偽カムアウトをやってみる必要がある、やってみよう」という動機を学生たちに持たせることができたのは、このプログラムの全体の構成がよくできているからだと思います。
結果、多くの学生が偽カミングアウトにチャレンジすることを選択したことには驚きました。多くの学生がLGBTQではないのにもかかわらず、LGBTQ当事者と全く同じような緊張、不安、パニックなどを体験していることはとても興味深いです。細かい集計はPDFをご覧ください。(当時集計とかコメントとかけっこうがんばってたなーって思う。)
 
下記が当時の課題内容です。
【A】【B】のうち、どちらかを選択して課題とする。
【A】家族または友人に「自分は同性愛者である」と偽のカミングアウトをすること。
偽カミングアウトができた場合、
(1)自分がカムアウト前後にどのような心境になり、感じ考えたか
(2)家族または友人がどのような反応をしたか
(3)体験を踏まえLGBTが生きやすい社会にするため自分に何ができるか
1500字以上でまとめる。
 
偽カミングアウトができなかった場合、
(1)できなかった理由
(2)他のマイノリティ(例えば在日、部落、精神疾患原発付近で育ったなど) の場合ならできたのか、その理由を同性愛の場合と比較し自分の持っている偏見はどのように作られてきたか考察する
(3)自分が持っている偏見をなくす解決方法は何か
1500字以上でまとめる。
なお、偽カムアウトの相手がたまたまLGBT当事者である可能性も想定しておくこと。
 
【B】下記の二つのどちらとも答えること。
1。LGBTIが、医療・福祉の利用者となるとき、どのような困難に遭遇するか、具体的な例をあげた上でその解決方法を考察すること。1000字以上。
2。世界の30ヶ国以上で同性婚や同性同士のパートナーシップを保障する制度がある。同性婚とパートナーシップ法はどのように違うか、またその違いの背景にはどのような考え方があるか調べて1000字以上でまとめること。
 
 
 
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2011年度

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2012年度

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2013年度

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読書会38回目  ネット上の英文を読む 5回目

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読書会38回目  ネット上の英文を読む 5回目
過去のイベント

日 時■2017年4月9日(日) 13:30~15:30 【日程は仮】
場 所■QWRC(くぉーく/予定) アクセスは→こちら  
参加費■500円(人数によって変動します。基本は2000円÷人数)
 
 20170409(日)5回目 
1. Introduction to Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender, and Queer (LGBTQ) History in the United States (PDF)@NPS.これの前半、21ページまで。
  予習用資料■原文資料MS-Word)■解説資料(準備中)
※この資料のサイトトップは→こちら

■前半は英語の勉強、後半は内容についてのディスカッション

■これからの予習用資料:ドロップボックスからワード文書ダウンロードもできます

■これまでの予習用資料
 20170311(土)4回目
1. Introduction to the LGBTQ Heritage Initiative Theme Study (PDF)@NPS.
  予習用資料■原文資料MS-Word)■解説資料MS-Word
※この資料のサイトトップは→こちら
 ■20170107(土)3回目
1. Why LGBTQ Historic Sites Matter (PDF)@NPS.
  予習用資料■原文資料解説資料

 12/3(土)
1. Words matter: Respect and the language of gender identity@TVO.
  予習用資料  原文資料  解説資料
 11/13(日)
1. What’s the politically correct way to refer to my gay and lesbian friends’ beloveds? by Steven Petrow
2. I’m not sure if my new neighbors are a gay couple. May I ask? by Steven Petrow
3. Bonfire of My Vanity by Steven Petrow
  予習用資料 原文資料  解説資料

 15 In This Together
 14 Two Madmen and a Baby
 13 This is Wanting Something
 12 The Greatest Sales Pitch Ever
 10 Go Toward What You Love, 11 How the Other Half Proposes
 9 Creature Comfort, 10 Go Toward What You Love
 8 Bath, Bed, and Beyond
 7 The Missing Dink
■本のページはこちら
 
■主催者のブログはこちらFacebookこちら
 

WS「偏見縮小:選挙に勝つための戸別訪問の練習」

「偏見縮小:選挙に勝つための戸別訪問の練習」
Prejudice Reduction - Lessons from Deep Canvassing
1/21(土)3:00-4:30
【プログラムから概要】
地域の反差別条例が投票で変更される時、私たちは半分の時間を失います。多くの場合、これらは勝ち得るキャンペーンなのに、私たちは準備するのが遅すぎるのです。そのような結果にしてはいけません。抜け目のない選挙活動は私たちの投票数を上げるだけでなく、今後も長く続く道のりの上で、偏見を減らすことにもなります。この分科会では、洞察力のある戸別訪問のための視点と理想的な実践を教示します。そしてそれぞれの組織に合った統合的説得プログラムを検討します。
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この分科会は選挙活動をがんばっている日本の友達のために何か学んで伝えられたらいいなと思って参加した。最初たった4人しか参加者がいなかったけど、ぱらぱらと集まり最終的には12人ぐらいになっていた。人数が少ないためひとりずつ自己紹介を回された。LGBTQの政治運動系団体の人、大学の学生会執行部みたいなとこからの人、地域の選挙活動に参加している人、単に興味がある人などなど。ファシリが団体紹介とともに、ストーンウォール事件がゲイリブの発端と言われているけど、もっと前から警察との火種はあちこちであって、フロリダのマイアミがゲイリブの発祥の地なのよ本当は、という話をしていた。
この分科会では、トランスジェンダーのトイレ論争について実際に取り組んだことを例にあげて説明していた。近年、アメリカでは有名人がカムアウトしたり、トランスジェンダー芸能人が人気になったりで、トランスの存在がどんどん顕在化してきている。その反動でバックラッシュもあり、保守的な州ではトランスジェンダーが自認の性別のトイレを使うことを禁止する法律が通ったり、新たに作る動きもある。その法律が住民投票にかけられる時、どのように有権者に対して深いアプローチをすることができるか、有権者トランスジェンダーに対する偏見を減らし、差別を助長する法律に反対する票を投じさせるかが分科会のテーマだ。戸別訪問の手順は下記のような流れ。

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●導入と初見。
●段階1、ビデオを観る。新しい有権者の本当の感想。
●段階2、トランスを定義する。新しい有権者LGBTを経験する。
●段階3、新しい有権者のリアルな体験、判断。
●段階4、懸念に対処する。
●まとめ、最終評価。

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(上記研修用のプリントの訳を下記スライドに合わせて付け加えています。)
●導入と初見。
こんにちは、●●さん。(※)SAVEのボランティアで■■と申します。去年可決されたトランスジェンダーの人たちを含む反差別法の更新について、こちらの近所で有権者の方々にお話しさせてもらっています。この法律がなくなる可能性が出てきています。現在あなたが知っている範囲で判断するなら、トランスジェンダーも含んだ反差別法の是非について、反対賛成どちらに投票しますか?(反対・決めてない・賛成)0は完全に反対票、10は完全に賛成票としてスケールに〇をつけるとしたらどこですか?その理由も教えて下さい。

(※)欧米文化ではいちいち個人の名前を呼ぶことが重要。その人を認識していることになり、名前を呼ぶか呼ばないかで、相手の対応も変わってきます!

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段階1、ビデオを観る。新しい有権者の本当の感想。
●どういう人がトランスジェンダーなのかわかるようにビデオを見せる。
●それからトイレ議論をはじめる。
●判断を下さない口調で話す。
有権者がどういうスタンスなのか理解する。
●ビデオ
トランスジェンダーの人にこれまで会ったことがなかったら、どういう人なのか理解するのが難しいかもしれません。中にはこの法律に反対する人もいます。ここにこの問題について理解を深めるための短いビデオがあります。(有権者にビデオを見せる)
ビデオを見たうえで、今スケールに〇をつけるとしたらどこですか?反差別法について0は完全に反対票、10は完全に賛成票です。(もし上記と変わったら)その理由も教えて下さい。(全員に)あなたの考え賛否どちらについても教えて下さい。このビデオを見て何を考えましたか?

有権者に見せるビデオも分科会で流れた。ニュース番組の特集部分で、共和党議員の息子であるロドリゴという名のトランス男性(髭もあるしもうどっからもおっさん)のトランスの過程を紹介し、議員のお母さんがすごく支援的なメッセージをカメラに向かって言っている。すべては家族愛!みたいな。そしてトランスジェンダーのIDと違う性別のトイレ利用禁止の法律を作った政治家の画像が流れる。そしてパスしている(ホルモン注射などで外見が変わっており望みの性別として見られること)トランスジェンダーが、トイレの前で「IDの性別のトイレには入りたくない」と言っている画。(おじさんが女性トイレに入りたくないと言っている画。)(ここはパスという問題がトランス/NB界で勃発するところですがここでは一旦保留。)ポイントとしては(1)トランスジェンダーも家族を大事にする人間なのだ。特にここはラテン系コミュニティが強いフロリダ。”家族”重視の価値観に響く。(2)トランスジェンダーが使いたいトイレを使っても誰も何も困らない。法律は誰得?の単なる嫌がらせでしかない、という点だろう。
会場で流れたビデオとは違うけど、ロドリゴと議員のお母さんが出ているニュースがあったので参考までにどうぞ。

www.youtube.com

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段階2、トランスを定義する。新しい有権者LGBTを経験する。
●言語を明確にする。
有権者のリアルな経験と結びつける。
●自分の判断の元になった物語を共有する。
ビデオで見た通り、ロドリゴはトランス男性です。両親は生まれた時は女の子だと思っていましたが、ロドリゴは若い頃から自分を男だと認識していました。あなたにはトランスジェンダーの知り合いがいますか?(いいえ・はい)
----いいえ、トランスの知り合いはいません、の場合。
ロドリゴとお母さんについてどう思いますか?あなたの感じたことを教えて下さい。ロドリゴは男性だと思いますか?
■ゲイやレズビアンの知り合いはいますか?どうやって知り合いましたか?彼らがゲイやレズビアンであることをどうやって知りましか?どう思いましたか?どのように彼らは扱われていましたか?
----はい、トランスの知り合いがいます、の場合。
■どうやって知り合いましたか?名前は?何をしている人ですか?その人たちがトランスジェンダーだとわかったことはあなたにとってどういうことでしたか?どう感じましたか?どのように自分の感覚が変わりましたか?
***自分の判断の元になった物語を共有する***
私はトランスジェンダーではありませんが、他人から一方的に判断されたように感じた経験があります。それは私が、、、の時に、、、(人種、経済的階級、言語の違いなどで、自分が弱い存在であり得ることについての話をする。

実際に戸別訪問どういうやり取りがされたかというビデオも見せてくれた。玄関口で犬をかかえた主婦らしき女性に戸別訪問ボランティアが話を切り出している。自分の子供が14歳だけと18歳ぐらいに見えて、見た目だけで判断されて嫌な思いをしているなど。トランスの話しと実際の体験との共通性を見出して、そこを掘り下げて行く。ここではまだ、トランス問題については中立なトーンを保ち、有権者の話すことについても判断的でない態度で、ただ聞き手としての良い雰囲気話しやすさの構築を優先。この辺り、ポリティカル・コレクトネスよりもエモーショナル・コレクトネスが重要の話しに似ている。(Ted Talk

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段階3、新しい有権者のリアルな体験、判断。
●質問する。
有権者のリアルな体験に焦点を当てる。
●深く突っ込む。
●個人的なものにする。
この法律は重要です。なぜなら、私たちが見た目から判断することと、本人の認識にギャップがある人たち(今回の場合はトランスジェンダー)をどのように扱いたいかについて考える機会を与えるからです。どう思いますか?現実としては一方的判断は起こります。それは誰かを傷つけるし、誰にでも起き得ることです。あなたが一方的な判断をされたと感じたり、本来の自分とは違った風に扱われた体験について教えてくれますか。もしそうした体験がなければ、誰かそうした体験をしているのを見たことがありますか。いつ?それを見てどう思いましたか?
※対話を深めるキーワード・もっと教えて下さい。それから何が起こったのですか?どのように感じましたか?どうして?
***トランスの人と有権者の体験を重ね、共感を持てるように物語を共有する***
私たちの多くが他人を一方的に判断したくないにもかかわらず、私たちは有権者としてトランスの人に影響を及ぼす投票の力を持っている。
※対話を深めるキーワード・私の友達の●●は、、、、私が今日ここに来ている理由は、、、、私の話についてどう思いますか?

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段階4、懸念に対処する。
●懸念を明確にする。
●物語を共有する。
●事実を上げる。
●主張を述べる。
先ほどあなたは●●という懸念があると言いましたが、今はどう考えますか?実際にどんなことが起こると想像しますか?多くの人がトランスジェンダーの知り合いがいないので、現実とはかけ離れた疑問や懸念を多く持っているのだと思います。私の友達の●●にとって、、、(トイレを使う時に、自分の大切なトランスの友達が直面しているリアルな物語を共有する。あるいは、トイレを使う時の自分のリアルな体験を共有する。)
ビデオを振り返って考えてみて、どのトイレをロドリゴは使うべきでしょうか?それはなぜですか?
■現実は、トランスジェンダーの全員がロドリゴのような見た目ではありません。トランスジェンダーの中には、自身の身の安全に不安を感じるので、公共のトイレを使うのが怖いという人たちもいます。
■トランスの人も含めて私たち全員が、トイレのプライバシーと安全性について全員のために配慮する必要があります。
■これらのための安全策は、公共安全に関する事件を増加させることなく、17の州・ブロワード群で成功裏に実行されてきています。

●主張を述べる!

私はこのようなトランスの人も含めた法律はどこでも法律化される必要があると思います、なぜなら、、


参加者から「ビデオの中で、反対派がトランスジェンダーが別のトイレを使うのを許したら、性犯罪が増えると言っていたのが女性として気になった。子どもたちの安全を考えてしまう人がいるのはわかる。」ファシリからは、トランスジェンダー性自認と一致したトイレを使うことと、性犯罪の話しは別問題と説明。トランスジェンダーは性犯罪ではないし、性犯罪が増えたというデータもない。
ちょっとズレますが、今翻訳作業している絵本(Transphobia-Deal with it and be a gender transcender)の中の一節をご紹介。
★トランスについての神話
「みんなにとって男女別トイレの方が、ジェンダーフリートイレよりも安全だ」
回答:誰かを脅かしたり、攻撃したり、危険に曝したり、見張ったりする人がいなければ、トイレは安全です。人々がトイレでどのように行動するかが問題なのであって、それは男女別であろうが、ジェンダーフリーであろうが関係ありません!

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まとめ、最終評価。
●どう投票するか聞く。
●なぜ心が動かされたか聞く。(変わった場合)
今まで話をしてきたわけですが、反差別法に反対票を入れますか?それとも賛成票を入れますか?(反対・決めてない・賛成)最後に、0から10のスケールで、0は完全に反対、10は完全に賛成とするとどこに〇をつけますか?(もし以前と変わっていたら)その理由も教えて下さい。何があなたの考えを変えたのか教えて下さい。
都合の良い電話番号_________
戸別訪問ボランティア名_______
有権者名______________

ところで、投票率の低い日本のことを考えると、そもそも投票しないような人の家をたずねてしまい、時間と労力の無駄みたいなことにならないのかしら。しかし、この戸別訪問は手あたり次第テキトーな家に行っているわけではなく、公になっている投票行動の記録を元に下調べをした上で行っているとのこと。(ていうか投票行動って公になってるの?知らなかった!)ある程度どういう地域なのかわかっていると心の準備もしやすいね。

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戸別訪問ボランティアに結果を報告してもらう
●自分にとってどんな感じだったか?
●どこで深く突っ込めたか?
●普段よりも詳細を共有したか?

一通り説明が終わり、さあ!ペアになってトレーニングしましょう!とプリントを見ながら実際に戸別訪問ボランティア役と有権者役になりロールプレイング。段階1,2は飛ばして、3からスタート。このたびは隣のかわいい若い男子とすんなりとペアになれた(!!)最初は若男子が戸別訪問ボランティア、私が有権者。「えー、反差別法からトランスジェンダーの人たちを排除しよういう動きがあるのですが、あなたは見た目で判断されて嫌な目に合ったことがありますか?」「アジア人なので、お店で店員がついてきて見張はられたりとか、逆に何か頼んだり質問しても無視されたりとか、嫌な思いをすることがあります。見た目で判断されることの不快さはトランスの人と同じかもしれないです。」とまるで自分はトランスじゃない風に回答してみた。交代してトランスの問題と共通するような体験について聞いてみると、若男子は大学生で見た目はほとんど白人なんだけど、中東のバックグラウンドでイスラム教徒。そのことを知らない白人がイスラム教のことを悪く言ったりする場面でよく気まずい思いをするとのこと。なるほどね。その体験とトランスの人との体験を重ね合わせて共感に持っていく作業をしようとしたけど、時間切れ。

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他にもこうした戸別訪問ボランティア育成のワークショップをしている団体がけっこうあるようです。こうしたひとりひとりにアタックして変えて行くという地道な作業を怠り勝ちだけど、けっきょくはそうした活動が確実な変化をもたらすのかも。急がば回れかしら。
このトランスのトイレ論争への戸別訪問ボランティア投入でどの程度の効果があったのかという結果は、あんまり聞き取れませんでしたが、確かな効果はあったらしい。数字的なことはあまり書かれてないけど、下記のように新聞記事になってます。この共感的対話術を10-15分することで得られたトランスジェンダーの人への偏見減少は、ゲイ・レズビアンへの偏見を減らす10年間の取り組みと同じぐらいの効果があったとか!従来のTV宣伝、電話などの選挙活動よりもインパクトが長続きすることも明らかになっているらしい。
UC Berkeley, Stanford study finds canvassing conversations reduce transgender prejudice | Berkeley News

わかりやすい日本語の記事ありましたわ。こちらのサイトに実際に戸別訪問してる動画が紹介されてました。
■トランスジェンダーへの偏見を大幅に減らす科学的な方法!「ディープ・キャンバシング」とは?

youtu.be

戸別訪問ボランティアは何日もかけて研修を受けるのかと思いきや、午前中に1時間半の研修を受けて、午後に出陣!というけっこう即席な取り組み。それでやっちゃえるのが欧米文化な気がする。前も書いたけど、こっちでワークショップしたら誰でもファシリできるぐらいのスキルがある。朝とかお昼にやってるワイドショーとかってだいたい議論してる。議論慣れしてて生活の一部。批判的思考(クリティカルシンキング)と率先力(リーダーシップスキル)と議論力(ディスカッションスキル)が習得できるように学校のカリキュラムがなってるみたい。日本で戸別訪問ボランティア突撃させても「受動的傾聴」だけやって何も変えられないか、「意見がはっきりしている人」といううざい人認識されて終わりということになりはしないか。。。議論をすること自体が嫌煙される土壌でどうやって人々を政治参加させていけるのか。
ファシリが「難しいのはマイノリティ体験を共有できないような人たち、中流上級の白人で中年以上の男性などを相手にする場合。それでも何かしらどこかで共通項を見いだせるはず。」と言っていた。日本で言うと、中年以上の日本人男性。手強い層が厚すぎる日本。。。(誰も覚えてないと思うけど、ここ元々はリバティ大阪を応援する!というブログだったんですが、当時リバティ存続のために、維新の会の議員にロビイングしてこうした対話を試みた時期があったのを思い出しました。。。個々の議員についての詳細は遡れば読めます。)

このワークショップで学んだことは、いったん深いところで理解を得られたら、今後もその人の判断の基準に食い込んでいけるという可能性。それがまさに分科会のタイトルになっている「偏見縮小」ってことだよね。このシンプルなタイトルでドキュンと的を得てる、美しい!有権者個人個人がトランスやその他のマイノリティについての偏見を縮小させていくためには、ひとりではできないので、誰かの介入が必要で、その丁寧な体験を拾い上げ掘り下げ普遍的な共感につなげていく作業は、こうして手順に書き上げてみるとシステマティックに見えるけど、なんかやり取りと手ごたえを考えると感動的じゃないか!とも思いました。「即席出前ピアサポートグループ1対1バージョン15分セッション」みたいな。
なんか可能性と希望を感じられるね!


■主催者団体 Save LGBT

WS報告「トランスコミュニティでのPrEP(HIV暴露前予防投薬)の取り組み」

「トランスコミュニティでのPrEP(HIV暴露前予防投薬)の取り組み」
Engaging the Trans Community in Care/ PrEP
1/21(土)10:45-12:15
【プログラムから概要】
この分科会はトランスコミュニティの健康問題に焦点を置いた相互作用的議論です。参加者はどのようにもっと包括的な言葉を使うか、どのように全ての性自認の人たちに総合的な健康サービスを提供するか、特にHIV陽性者のプログラムについて学ぶでしょう。この分科会はトランスを含んだヘルスケア、問題行動への医療サービス、HIVケアと予防のプログラムの内容にも及びます。
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この団体は保健所のような機関でLGBTQに特化したサービスを提供しているNPO的健康センターだそう@フロリダ州。LGBTQ医療に特化しているところはアメリカでもまだ多くないようだ。(トロントにはシャーボーン・ヘルスセンターと言う、LGBTQと移民とホームレスに特化した所がある。)働いている人もLGBTQ当事者で専門職の人もいて、発表者の人はFtMの白人のイケメンだった。
パレードやイベントなどがあると、ヘルスバスという出張診療のバスを出し、HIVテストなどを提供している。トランス当事者に関係する医療、カウンセリング、ホルモン投与、手術への手続き、一般医療、HIV/STIテスト、感染予防、ハームリダクションなどに加えて、社会的なサポートたとえば身分証明書の性別変更、就労相談なども行っているらしい。手広い!サイトをみたら当事者グループも会合をしているらしく、本当に総合的な取り組みをしているのがわかる。
最近ではトランスのみならず、Non-binary(男女どちらでもあったり、どちらでもなかったりする人)の人たちの居場所の確保に取り組んでいるそうだ。また、トランスで子育て中の人の会、トランスの子を持つ親の会なども定期開催している。集まりの宣伝にはFacebookを使ったり、お知らせメールを事前に送るようにしたり、人が集まりやすいように工夫している。
LGBTQに特化した医療サービスがあるのは良いことだが、LGBTQであってもなくても、普通に普通の医療がどこでも受けられるべきだ、と発表者は言っていた。Cisの人たち(生まれた時の性別のままで問題ない人たち)をいかに教育し、トランスやNon-binaryの人たちにとって安全な場所を確保していくかが大事とのこと。
最初は6人ぐらいしか参加者がいなかったが、徐々に増えて最終的には10人ぐらいになったと思う。トランスへの保険サービスでPrEPを導入した取り組みについて知りたかったので参加したが、正直失敗だった。発表者が興奮していたのか、早口すぎてほとんど聞き取れなかった。途中で見切って別の分科会に行くべきだったが、PrEPの取り組みについて聞いてからと待っていたらかなり後半でしかもスライド一枚だけの説明…。トランスの利用者に説明して医者から処方箋もらって開始し(保険適用になる)、三か月毎にHIV/STIテストしてまた処方してもらうというだけ。一般的な説明と同じ。。。(3か月分で14ドル程度だとか?)特にトランスコミュニティだからということでしていることはなさそうだった。タイトルになってるから期待したじゃん。。。(あるいは私が聞き取れてないだけ。)
参加者はトランス当事者で医療従事者だったり、健康サービス提供者だったり、仕事にしている人たちだったようで質疑応答も「どうしたら医療につながりにくいトランス当事者にサービスを届けられるか、出てきてもらうにはどんな工夫をしているか」など具体的なものだった。

話しはずれるけど、去年トランスの集まりに自宅でできるPap testキット(子宮頸癌を発見するために使われる細胞診検査)を開発している会社の人が来てフォーカスグループ(当事者を集めて聞き取り調査みたいなので、たいがいお礼にギフトカードや商品券などがもらえる!)をしていた。トランス男性にも使ってもらえるように、包括的な商品にしたいので当事者の正直な意見を聞きたいということだった。さすがトロントは会社のスタンスも違うね!参加していたトランス男性たちは、ナプキンなどいつもデザインが女性的すぎて手に取れないとか、あの恥ずかしい椅子に座り股を開いて検査を受けるのは嫌だが、医療者のサポートはほしいので、キットを病院のトイレで自分で使ってその場で医者に提出したい、などいろいろな意見がでてました。写真はテストキットで非常に女性っぽいデザイン。。。

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それとは別に、去年Pap testを無料で行っているWomen's College Hospital(トロント)に検査に行ったことがあるんだが、受付で「男性のPap testはやってません」と言われたけどトランス男性ですと説明すると普通に予約することができた。当日、ホルモン5年目だが稀にわずかに出血することがあると言うと、念のため超音波検査しておきましょうと言われ、妊婦が赤ちゃん見る時に使うやつで診てもらった。別の日、結果結果を聞きにいくと極小のコブみたいなのがあるけど悪性ではないので、定期的に検査して大きくなったりしないかチェックしましょう、ということだった。Pap testは無料だったんだけど、超音波はお金がかかり大学の保険でもカバーされれず、85ドル支払った。ちなみに、結果を知らせてくれた医師はたまたま日本人系の先生で日本語で説明してもらえてよかった。(日本語がちょっと違ったのでカナダ生まれの二世かな。)もちろんトランスについても理解していたので、色々トランスジェンダーという存在について説明する必要がなく、話が通じやすくて安心だった!にしても、さすがにロビーに虹旗が飾ってあるだけあって、全ての検査・結果報告の過程でトランスであることで不安になったり気を使ったりせず安心にサービスが受けられてすごくよかった。
写真はWomen's College Hospitalのロビーに飾ってあったLGBTQへのメッセージ。(2016年6月のプライドパレード用。6月は町のいたるところでLGBTQパレードに関連したアクションが見られる。そのひとつ。)

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トランスというだけで特別視されて、医療から排除される現実が徐々に変わっていくといいなー。でもトランス特有の社会的な困難が減らない限り難しいね。それが実現するまでのつなぎとしてこうした機関が活躍するということだろう。トランスへの差別や社会的な孤立が続くほど、問題の専門性は高まり、専門機関の必要性も高まる。社会的が包括的になりトランスが暮らしやすくなるということは、性別での差別や区分が必要最低限になるということ。医療や福祉のシステムでも特別扱いされずに済み、性別に関わらずサービスを提供し、受けられるということ。トランスについての専門性は残るとしても、医療従事者やサービス提供者にとってのトランスの人についての敷居は低く感じられるようになるだろう。


■主催者団体 Metro Wellness & Community Centers