LGBTQ洋書読書会とか

元々は「リバティおおさかを応援する!」というブログでしたが、引っ越ししまして、最近ではLGBTQの洋書読書会やその他の情報を掲載しています。

WS報告「NPOのための持続可能な資金調達術」

NPOのための持続可能な資金調達術」
1/20(金)9:00-10:30

【プログラムから概要の訳】
この強力な分科会では、組織のための持続可能な資金調達づくりを体系づけられたモデルで参加者に紹介します。あなたの組織にベネボンモデルを適用しながら、生涯を通じてスポンサーとなってくれる熱心な個人をつかまえる方法を学びましょう。この実際的で効果的な方法に取り組むため、参加者は組織の同僚やボードメンバー(理事を買ってでてる人)、ボランティアを連れてくることが望ましいです。
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さすがにプレゼン命のファンディング、プレゼンターが超プロ!過不足なく、きっちり明快な美しいプレゼンにうっとり!ベネボンはファンドレイジングコンサルタント会社で、創立20年目、発表者は11年働いているそうだ。LGBTQの非営利団体のクライエントもあつかっているそうだ。最初から一貫して力説されていたのは「Deep engagementがあればスポンサーには困らない」といこと。つまり、コミュニティの本当の需要を把握して、適切なサービスを行っているなら必ずスポンサーが付くし、実績を積めば、生涯スポンサーも獲得できる、とのこと。アメリカの非営利団体の運営費の内、8割が個人からの寄付らしい。少額からはじまり高額へ、そして生涯を通じて寄付をしてくれる個人スポンサーをどうやって獲得するのか?資料として下記のような円が描かれたプリントが配布された。

 

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  「導入として、はじめての人を引き込むための無料イベントを開催します。イベントは、まずはじまる前に自由時間を少し取り、主催者が個人的に挨拶をしてまわったり、イベントへのサインインや、参加者同士が交流できるように促します。次に、代表的な人、理事などからの挨拶から実際のイベントがスタートします。理事など実務を負っていない人をここに持ってくるのは、参加者とあなたの組織との仲介役をさせるためです。なぜ理事を引き受けているのか、それを話してもらうと良いでしょう。
次に、実務を負っているあなたの出番です。コミュニティに具体的にどのようにコミュニティに貢献しているか、しっかり説明しましょう。次はウォーキングツアーです。小さな資料室でも、棚でも、関わったこれまでのイベント資料をテーブルに広げておくのもよいでしょう。参加者を連れて行き、物理的な証拠を見せて活動と実績を説明しましょう。
次にボランティアや、サービスを受けた人に登場してもらいます。彼らには神話を壊すような話、(例えば、貧しい地域の学校に対して、文房具や学習機材などは申請すれば政府からお金が下りているはずという一般的な発想は神話であり、実際には機能していないなど)そして、具体的にどれだけ組織が提供するサービスが的を得ており、実際に助かったかとい忘れられないインパクトのある経験を話してもらいます。証人ですね。
そして、またあなたや運営メンバーの出番です。ニーズがあるのにできていないこと、コミュニティから新しいニーズが出てきていること、それを実現させるためにはいくらお金が必要であるかを説明します。
このイベントに参加するのは誰か?というと、あなたの知り合い、家族、友達です。あなたが自信をもってやっていることなのだから、まずは身近な彼らに協力をあおぐべきでしょう。そこからだんだんと広げていきます。それが確実です。」

うん。。家族、友達が協力してくれたらありがたいんだが、なぜだろう、頼みにくい。日本でLGBTQの非営利に関わって来て、家族やヘテロの友達に声をかけたことはあまりない。何か。。。関係ないと思われてるだろうとか、興味ないだろうな、とか思ってしまう。だいたいそもそも、何かをお願いするとか、頼むとかいうこと自体の敷居が高い。

  「イベントの後、2~3日以内に参加者に電話をかけます。目的は、A、イベントをどう思ったか?イベントがこちらの思った通りに受け取られているか確認して次回に活かします。B、何に関心があるかを尋ねます。コミュニティのニーズ探しです。具体的に何についてだったら、この組織に関わりたいと思うか?自分だったらどんなサービスを受けたいか?どんなサービスにならお金を出したいか?

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もちろん、参加してくれたことに対しても感謝を伝えましょう。この電話でのフォローで、あなたの団体に興味を持っている人を見つけることができるでしょう。その人が手伝いやすい方法を探しましょう。寄付の頼み方は、このような電話での1対1で、あるいはフリーイベント会場で用紙記入の方法があります。また、寄付の単位もプロジェクト毎に頼むか、3年や5年単位の数年続きで頼む方法もあります。
あなたのイベントが本当によかったら、あなたの団体についてその後も口コミで広がるはずです。「すごいよかったよ、あなたも行ってみたらいいよ!」これが図のサイクルの「1」の部分に集まる人の質を向上してきます。元々関心が高い人が集まる確率が増えて行き、寄付をしてくれる人の割合も増えて行きます。」

  「貧しい地域の小学校でのファンドレイジングイベントの例をご紹介します。この地域では子供たちに十分な教育資材がなく、進学率も低いため地域ぐるみでのいろいろなサポートが必要でした。一人につき年間6万円を数百人ですので、8000万円以上を目標としていました。800人規模で平日の朝に無料の朝食イベントを開催しました。もしあなたがこのイベントに招待されたとしたら、どう思うでしょうか。平日の朝早く起きて、会社に遅れるかもしれないと連絡をし、正直大して興味もなく期待もしていないイベントに、友達のメンツもあるしということで車を飛ばして会場にでかけます。
会場についてみると、子どもたちが笑顔で迎えてくれて、合唱団が歌っていてなんとも良い雰囲気です。テーブルには子供たちが将来なりたいものを描いたイラストや手紙が飾ってあります。組織の理事的な人がようこそと朝早くの参加に感謝してまわっています。無料の朝ごはんを食べながら、子供たちのこの団体のサービスによって達成できた体験について感動的なストーリーを聞いたり、人生が変わった卒業生たちのビデオを観たりしました。ずっと団体にたずさわっているボランティアが、これまでの活動や意義について語りました。主催者からはどのように子供たちを支援できるか、具体的な案が述べられ、寄付の仕方も説明されました。
このイベントの場合、用紙記入での寄付を募りました。

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選択肢をいくつか用意し、5年間1人の生徒のスポンサーになる=年間10万円。5年間10人の生徒のスポンサーになる=年間100万円。5年間クラスのスポンサーになる=年間250万円。そして、金額無記入の欄も用意しました。最終的には、1億5千万円の寄付を得ることができました。
私たちは様々な規模の非営利団体を支援しています。はじめてのイベントの場合は、もっと小規模で100人程度からはじめるなど、団体の規模と目標額などを検討して企画していきます。」

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ちょっとよく英語がわからなかったけれども、イベントは基本的に新規開拓の人集めのためにするものと、お金を集めるためのイベントと、寄付者向けの実績報告イベントがあるということでしょうかね?どうやってコミュニティのニーズを正確に把握しつづけていけるのか知りたい。組織の性質上、いったん同じことやるとずっとやってしまいそうなんだよね。
理論的にはうまくいきそうな話だけど、寄付をするという文化的な習慣がない日本でもできるんでしょうか・・・。やってみないとわかりませんが。ウェブでのファンドレイジングは何度かやったことはあるけど、全部プロジェクト単位だった。継続的な運営資金の調達としてウェブのファンドレイジングは難しそうなんだけどどうなんでしょうね。
 
日本では教会とかに行ったことなかったんだが、トロントに来て以降、西洋文化を理解するにあたって、キリスト教の理解は不可欠だと思い、教会に行ったりしている。幸い友達が教会マニア?で、ダウンタウンには200以上の教会があるのでいろんなところに連れていってもらってそれぞれの宗派の違いなども少しだけわかるようになった。教会のミサに出ると必ず寄付の時間があって、ボランティアの人がお盆や籠を持ってお金を回収して回るのだ。友達はどの教会に行っても、毎回なんぼか収めている。昔は教会によっては、収入の10%は教会に寄付することが決まりになっているとこもあったとか。多くの教会でミサの後、お茶会みたいなのがあって、無料のコーヒーやお菓子がふるまわれる。場所によっては無料のランチも出たりする。クリスマスディナーやサンクスギビングなど、無料の食事会があったり、フードバンクなど貧しい人に食べ物を配布する活動をしているところもある。
それらの慈善活動は寄付を基盤にして行われている。
現金を寄付することに慣れていない日本文化(昔はお寺とかであったんだろうけど)で非営利団体を運営する時の困難はどのあたりに解決策を見いだせるのか。いつも疑問。よくこっちの人に、アメリカの企業から助成金をひっぱってきたらいいと言われることもあるけど、どこまで現実的なのか。まあ、新しいことどんどんやって試してみるしかないけどさ。


■主催団体のページ Benevon 

http://www.benevon.com/

(サイトで公開しているビデオはこの分科会の内容とほぼ同じと思われます。55分)