LGBTQ洋書読書会とか

元々は「リバティおおさかを応援する!」というブログでしたが、引っ越ししまして、最近ではLGBTQの洋書読書会やその他の情報を掲載しています。

(WS)クリスマスの家族の集まりでの人種差別発言にどう対処するか

f:id:lgbtsougi:20171212144423j:plain■ “How to Interrupt Racist Comments at Holiday Dinner this Year”(2017/12/11)

SURJ(Showing Up for Racial Justice) TORONTOという、人種差別に対抗する白人のグループのワークショップがダウンタウンの教会であって参加してきた。今回のテーマは、クリスマスシーズンの家族の集まりで出てくる人種差別発言をどう扱うかというもの。30人ぐらいの参加。ほとんどが白人で、アジア人は二人、黒人が一人。男性も4,5人で女性が過半数以上。ベジタリアンのピタみたいなのと、生のフルーツ、お湯とちぃーバッグなどが用意されていた。
https://www.facebook.com/surjto/

■雪のため25分遅刻で参加したので会の概要とか聞けなかったが、Education, Fund rising, Family and kid, Communication, Building basis, Actionの6部門に分かれて組織の活動を担当者が説明する時間を設けていて、参加者にチームのどれかに入って活動をしてほしいと呼びかけていた。3つ聞けたが、CommunicationではFBのポストやMLの発行、ニュースの収集や呼びかけなどをしているとのこと。Building basisでは運営メンバーがどうやって地域に根差した活動をしていけるか、学校、コミュニティ、教会、警察など巻き込むべきところと具体的な活動、地域をどうするか検討しているところらしい。 Actionでは、BIPOCの組織からの協力要請や支援をしていて、ラリーやデモがあれば頭数として参上するよう呼び掛けたり、実際の実働部隊としてイベントを手伝ったり、イベントやデモの時に子守りをしたりなど。そういう助っ人活動をするための初心者向け研修も計画しているらしい。

■ファンドレイジング部門からのお知らせがあり、団体は立ちあがって1年だが、これまでの活動で集めた資金は300万円にのぼり、BIPOC(黒人、先住民、有色人種)の団体の活動資金になっているとの報告。素晴らしい!それから、BIPOCの人が病気やケガなどで困った時に使えるような、緊急時基金として、今日ここで1500ドル(約14万円)を集めたい、との宣言!Creative Changeでもやっていたような同じやり方のファンドレイジング手法だ。1500ドルからはじまって、だんだん値段が下がっていき、200ドルの時点で一人が挙手!拍手が起こる。150ドルでも、100ドルでも手があがり、20ドルでもばらばらと手が上がった。その後、寄付のレシートはこちらとか、現金の方はこちらとか、クレジットカード決済の場合はこちらのケータイで処理しますなどと担当者からさくさく集金の段取り。

■椅子を丸く並べて、ワークショップの始まり。アジェンダ、ゴール、アグリーメントなどが書かれた模造紙を説明してくれたが、写真撮るの忘れた!!うおー後悔。。。
簡単な自己紹介が回された。名前、性別代名詞、家族と人種の話題になった時の自分の内心を表すというもの。ほとんどの人が、ギャーとかOMGなどのリアクションをしていて、人種の話題は難しいんだと改めて知った。
ウォーミングアップに、いろんな速度で歩き回ったり、ストップと言ったら歩いて、ブルーと言ったら止まる、自転車と言ったらドアを開ける動作、ノック?と言ったら自転車をこぐみたいな、混乱するけど面白かった。二つ目のウォーミングアップは、右となりの7人目の動きのマネをするというもの、大げさにしたり、細かく真似したり、最終的には皆同じような動きをしていたのが面白かった。三つ目のウォーミングアップは、隣の人が手をたたくタイミングに合わせて手をたたくというもの。順番に隣の人に同じようにしていく。早くしたり、一週しない内に次のアクションが起こったりなど。

■クリスマスで集まった家族が人種の話題で衝突する寸劇。一度見てから、どのようにシナリオを変更して状況を改善できるか考えるというもの。具体的には、登場人物の一人を選んで参加者が入れ替わり、代役をする。その場で考えて即興で演じるってレベルが高くないですか。。。
寸劇の内容は、子どもとそのパートナーがクリスマスディナーで両親とくつろいでいると、テレビで先住民へのファンドレイジングのニュースが流れ、母親も父親も、政府が先住民支援に予算を当てていることについて、やりすぎじゃないか、長年やってるからもういいじゃないかなどとコメントし、こどもがそれに対して先住民の状況が改善されてないことを主張するが、母親は今朝も新聞記事を読んだから知ってるなどと返し、こどもは感情的になり、親は非難されていると感じて衝突になり、子どもが退出するというもの。こどものパートナーは終始沈黙。

ファシリが寸劇についての感想を参加者に求めると、はー、うちの家族もこうなるわー目に浮かぶわーみたいな身につまされる感じの人が多いようで若干重苦しい雰囲気に。ファシリが同じ寸劇をするので、止めたいところでストップと言って自分のシナリオを演じに介入してくださいと説明。
二回目がはじまり、こどもが感情的になってきたところで、ひとりの参加者がストップをかけて、こどものパートナーと入れ替わり、演じた。元のシナリオではパートナーは黙ってその場にいるだけだが、この人は、親との対話を試み、こどもの擁護を試みたようだが、母親はあなたが口出しすることじゃないなどと冷たい。(残念ながら英語が早くて聞き取れず・・・)ビジターの立場では声を上げにくいが、対話の価値はあるだろう。母親役からは親だったら自分の家で他人がこどもの扱いや家庭内のことについて口を出してくるのは不快だろうね、などとリアルな意見。
三回目の演技では誰もストップをかけなかった。その後の意見交換である参加者が、自分なら質問戦略で行くと言っていて、ファシリが演じてみて!と促し、こどもの演者と交代してチャレンジ。母親にどんな記事を読んで何を知ってるのかなど、非難ではなく、質問することで対話を試みる作戦。途中までよさげだったが、先住民の改善されない状況を説明する中で、「特権」という言葉が出た瞬間、母親が親の世代も自分たちも貧しい中で一生懸命働いてここまで来れた、プールがあるような豪邸に住んでいる人たちには到底及ばない清楚な暮らしを特権などというのは先祖と私たちに対する侮辱的だという切り返し、父親が無言で退室。こども「こうしてクリスマスでディナーをみんなで食べれてる私たちと同じように、先住民の人達もそれができるぐらいの状況であるべきじゃないか」母「私たちのことではなく、彼らの話をしましょう」という感じでファシリが終了させた。

参加者の感想では、みんな一生懸命働いてて、でも白人だからそれが報われて暮らしが良くなるけど、先住民の場合は同じだけがんばっても報われない状況が続いているのが問題との切り返しを提案。クリトリスで田舎に帰る参加者からは、こうした話題/考え方は都会の人が持ってくるものだと思われていて、耳を貸してもらえない、など。にしても、今回は母親役から前よりも座っていることが可能な気分だったと感想がでて、「主に質問して、ジャッジしない」という態度は有効なようだった。父親が退出したことについて、参加者がふたりの人を同時に対応するのは無理だから、一人一人対策が必要との意見。
最後、全員にどんな手でいくかを締めでまわしたところ、多くの人が質問戦法でいくと答えていた。寸劇を見ているだけでしんどくなってきたという人もいた。衝突が起きる原因は、人種の話題だからではなく、家族との関係性が根本的な問題としてあるという意見も納得。議論になった時に証拠となるような知識も備えておく必要がある。役者からも演じてみて、差別発言をする人が指摘を受けてどういう気持ちになるかわかったので、聞く態度を見せたり断定的に相手を差別者扱いしないようにすることなどを忘れないようにしたいなどの感想。休暇前のすごく具体的な対策となるワークショップで満足度が高ったように思う。
ていうか、演者たちがすごくよかった!

ところで、LGBTQの存在が当たり前という感じに扱われていて、寸劇のパートナーについて語る際もLGBTQであり得るのは当然という雰囲気だし、参加者も同性のパートナーについて話したりなどすごくそういう意味で安心な会だった。
残ったピタやマンゴー、アボカドをもらって帰宅。

トランプ以降、白人優位主義者の行動が目立つようになって来てから、白人たち自身の間でもこうのような抵抗活動が起こっているのはしかるべきことだ。やってもわらないと困る。白人自身で自分たちの差別意識に立ち向かってもらわないと、正直BIPOCがいくら抵抗したところで、白人が牛耳っているこの世の中を根本的に改善するのは無理。この団体の取り組みやスタンスは、本当に自分の人間関係から、地道に人種差別をなくしていこうとしている意気込みが感じられていいなと思った。参加者の白人が、いとこの白人にこの団体で活動していることをクリスマスの家族の集まりで「カムアウト」しようと思うと言っていた。

これまでLGBTQの活動をするなかで「それぞれ、できる場所から、できることをする」という前提があった。家族にカムアウトできなくても、社会に働きかける手段はたくさんある、と。でもやっぱり家族や近しい人たちなど実際に人間関係がある人と対話できることが、社会を変える最も確実で最短の道だろうとは思う。それがしやすいように、どのような環境を仕組んでいけるかを考えたい。この団体がやっていることは、とても参考になりそうだ。