LGBTQ洋書読書会とか

新設Cチーム企画主催者が、元々は「リバティおおさかを応援する!」というブログでやってましたが、引っ越ししまして、最近ではLGBTQの洋書読書会やその他の情報をごった煮状態で掲載していますv

WS報告「Welcome Reception」でのブース

大会のYoutubeチャンネルがあったわ。大会がどんな雰囲気かわかるCMです。

www.youtube.com


「Welcome Reception」

1/19(木)7:00pm-

APIのワークショップを終えた後、7時からは4・5階のロビーでウェルカムパーティみたいなのがはじまっていた。ロビーにはたくさんのLGBTQ関連の企業や団体がブースを出していて見て回った。食べ物は軽食が出ていて、生野菜や果物、パン、クラッカー、チーズなどが無料で食べ放題。飲み物も出ていたが、アルコール類はお金がかかるらしかった。
ブースはHIV啓発、PrEP(HIV予防のために毎日飲むピルのようなもの)の紹介、宗教系、教育系、LGBTQ向け妊娠出産クリニック、ゲイゲームズ、プライドパレード、中絶法反対、トランスのシェルター、LGBTQの本屋、アウトドアの会社、などなどたーくさん。

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■Gay Parents To Be
LGBTQ向けの妊娠出産コーディネイトクリニックの人に話を聞いたら、ゲイやレズビアンだけでなくトランスにもサービス提供しているとのこと。レズビアンへのサービスとしては、人工授精、試験管受精(産む側じゃない人の体外受精)、養子。ゲイへのサービスとしては、試験管受精(代理母による)、養子。トランスジェンダーへのサービスとしては、卵子体外受精用)、精子(人工授精用)の冷凍保存、養子。が用意されている。

具体的にゲイカップルの場合だと、導入カウンセリング→遺伝子検査→卵子提供者選び→体外受精胚の検査→胚の冷凍保存→代理母探し→代理母のマッチング→妊娠→出産のような、これらの全プロセスを包括的に一緒にやってくれるそうで、これは大きな会社だなーと思った。
家族計画にともない、子育ての経済プランも専門家が一緒に考えてくれるそうな。LGBTQの家族計画が専門分野として成り立っていて専門家として働いている人がいる。具体的には、不妊治療専門医、不妊治療看護師、人工授精の専門家、弁護士、精神衛生の専門家などだ。

前もアメリカの学会で感じたことだが、LGBTQ当事者で専門家の人がたくさんいて、だから的を得たサービスが提供できて、コミュニティのビジネスにもなり、社会の一部としてしっかり体をなしているんだよなーと思う。日本ではLGBTQの専門家が育ちにくいように思う。もちろん、日本にも専門家はいて、友達とか頑張っているけど、一般的にカムアウトできる状況とはまだまだ言えないだろう。でも今日本も変わって来てるし、LGBTQの若い人が学校などで適切なサポートを受け、夢をあきらめることなく、実現していってもらえたらと願う。


■Act Against AIDS
■PrEPについてのYoutube動画。

youtu.be

会場にブースがあるし、ワークショップでもたまに話が出てくる、PrEP(HIV曝露前予防)って何なの?と思って調べてみましたら、HIV予防のための薬で、毎日飲んでいるとHIVウィルスが入ってきた時に抗体が戦ってくれて感染を防げるというものらしい。アメリカやカナダで認可が下りていて、飲み始めている人もいるようだ。日本はまだ。副作用としては、たまにお腹が痛くなるとか、食欲不振、軽い頭痛などが最初の一か月見られる人もいるらしいが、深刻なものではないとのこと。医者に行ってPrEPを処方してもらい、三か月毎に医者に戻りHIVのテストを受け、また三か月分もらって継続していくという感じみたい。ほとんどの場合(アメリカ)、コストは保険によってはカバーされるとのこと。しかし、HIV以外のSTIには効かないので、PrEPを飲んでいるからといって、コンドームなしのセックスをしていいわけではない。セックスワーカーの人など、リスクの高い仕事をしている人には朗報だね。飲んだ方がいい人の例としては、

ゲイ・バイ男性で、
HIV陽性の恋人がいる場合
●複数のパートナーがいる場合、複数のパートナーを持つ人がパートナーの場合、パートナーがHIVかどうかわからない場合で、
コンドームなしのアナルセックスをしたり、最近SIDに感染していた場合

異性愛者で、
HIV陽性の恋人がいる場合
●複数のパートナーがいる場合、複数のパートナーを持つ人がパートナーの場合、パートナーがHIVかどうかわからない場合で、
注射器での薬物使用のある人と、たまにコンドームなしのセックスをする場合や、バイセクシュアル男性とコンドームなしでセックスすることがある女性

注射器で薬物使用する人で、
●注射器を他の人と共有する場合
●最近、薬物回復のプログラムに行った場合
●セックスからのHIV感染のリスクがある場合

 


■Morris Home - Resources for Human Development
人間形成のための社会資源センターは、1970年からはじまった総合的な生活支援をする非営利団体。14の州にわたって、160以上の地域での支援プログラムを手掛けており、質の高い支援を提供しているそうだ。その中のプログラムで、行く場のないトランスジェンダー/GNC(伝統的ジェンダーに従わない人)や、薬物依存で回復の支援が必要なトランスジェンダー/GNCのためのシェルターを運営している。シェルターとなっている家の収容人数は、7-8名らしい。

シェルターでは依存症やその元になっている原因に対して、総合的なアプローチと柔軟な住み込み待遇、医療的支援での回復を試みている。利用者の多様で交差した問題に対して、カウンセラー、医療チーム、回復専門家が密接に連絡を取って働いている。トランスジェンダーの大人で、薬物依存または乱用、精神疾患と薬物乱用が同時に見られる場合、シェルター利用の対象となる。他のシェルター、回復プログラム、拘置所からの受け入れも可能。


■World Out Games
ゲイのオリンピックがマイアミで5/26~6/4(2017)開催されるそうです。


■Stop the Hate | Campus Pride
大学でのヘイトクライムを防止するためのプログラムを提供しているところ。全米1400以上の大学・専門学校などにアプローチしてLGBTQの学生の学校生活向上の効果を上げているそうです。大学で実際にトレーニングを行って、LGBTQのリーダー養成、サークル作りなどを続けており、一般学生にも実践的なヘイトクライム防止のワークショップをやっているようで興味深いです。すごい大きな組織~。毎年8万人から投票されて決まる、LGBTQフレンドリーな大学TOP50を発表しているそうです。

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■宗教組織
いくつかのブースは宗教関係で、例えば教会の中のLGBTQ部署の人が出版物を持ってきて売っていたり、キリスト教系の学校の系列が学内のプログラムを紹介していたり、宗教者にとってのLGBTQの解釈をどうしたらいいかみたいな総合的な案内をしている組織も。日本と大きく違うのは、半数以上の人が自覚的な信仰を持っていてLGBTQであることもその宗教との関係上、とても重要な問題であることだ。「信仰とLGBTQ」についてのテーマのワークショップもたくさんあった。(全然参加しなかったけど次回があれば是非。)信仰と家族との折り合いの付け方であったり、牧師や教会のリーダーとしてどうLGBTQの信者の居場所を作っていくかなどなど、信仰に関連したワークショップの数は、28!(上の写真が全体の予定)驚いたのは、無神論者のための当事者ワークが持たれていて、宗教を持つことが当たり前の文化でのマイノリティ体験をシェアしているらしかった。

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なんていうか。これを書くにあたり持って帰ってきた資料を見直しておりますが、いちいち各フライヤーが立派なんだよね。これだけでも、企画、デザイン、印刷、配布などでかかるお金の大きさを感じます。フライヤーが日本みたくペラくない。はがきよりも分厚いんだよ、簡単に折り曲げられないぐらい。捨てにくいね。