LGBTQ洋書読書会とか

元々は「リバティおおさかを応援する!」というブログでしたが、引っ越ししまして、最近ではLGBTQの洋書読書会やその他の情報を掲載しています。

WS報告「国レベル、地方レベルの政治の前線で、なぜ今これまで以上にLGBTQのリーダーシップが重要なのか」

今更ですが、言うまでもないですが私の英語力は低いんで、聞き間違い、勘違い、たくさんしてると思いますのでそこらへん差し引いて話読んでくださいね。


「国レベル、地方レベルの政治の前線で、なぜ今これまで以上にLGBTQのリーダーシップが重要なのか」
Why Leadership Matters Now More Than Ever: LGBTQ Leaders on the Political Front Line at the State & Local Level
1/20(金)10:45-12:15 

【プログラムから概要の訳】
オバマ政権が終わり、トランプが力を増してきている時、LGBTQコミュニティのための平等をおし進めて行く戦略は、行政機関と共に取り組んでいくことから、国中の500人以上のオープンリーLGBTQ政治家と公務員の影響を、機能させ、実行していくことにシフトしていくことでしょう。この分科会は、新大統領がホワイトハウスでの重役に任命する予定のいかがわしい個人を紹介することからはじまります。それは、LGBTQのアメリカ人にとって大きく影響し、連邦政府の官僚制度の隅々まで関連していくことでしょう。また分科会では、国政、地方レベルでLGBTQの議員または公務員として活躍する人たちのディスカッションパネルも持たれます。トランプによるLGBTQ政策へのバックラッシュから私たちのコミュニティを守るため、パネラーたちは、LGBTQの政治実務者同士の力強いネットワーキングを展開しています。主催者団体のビクトリーが、厳しい状況の政権の間、LGBTQコミュニティを勢力の強い効果的な運動にしていくために、またLGBTQの政治家と公務員の頑丈な共同作業を促進させるために、どのように取り組んでいるかも知ることができます。
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まず主催者からこの分科会が意図することを説明する挨拶があり、引き続きトランプ政権の閣僚たちがプロフィールつきで紹介された。スライドが変わるたびに、「イュク。。。」「マイガーっ・・・」「ダーン」など、会場から多数のうめき声があがるのが印象的。主催者団体のビクトリーは156人のLGBTQの政治家がトランプに向けて抗議文を送る運動を取りまとめて行ったそうだ。抗議文はビクトリーのサイトで読めるらしい。
一人目のパネラーのBrian Simsさん(37)というペンシルベニア州フィラデルフィアのある州)の下院議員でゲイの活動家の人が活動や現状の話。フィラデルフィアは州として、法律の面ではアメリカの中で一番LGBTQフレンドリーな州だとのこと。しかしまだ女性の参政権が十分でなく、議会にもっと女性が増えることでもっと政策はよくなるはず。「議会の家父長制体質に対抗する」みたいなことを言ってたんだけど、髭もじゃの中年男子が「家父長制(patriarchy)」って言葉を使ってるのが、新鮮。日本の男子政治家で家父長制って言葉を知ってて使ってる人みたことない。この人がそうしたベースで話すのも当然で、というのもゲイムーブメントがフェミニズムとは切っては切り離せない関係だし、事務所も女性学で修士・博士取ってるような女性スタッフでガチなフェミニズム運動ベースの人が多いからのようす。でもなんか女性は本質的に男性よりも感受性が高くて共感性があるから、政治に向いているとかそういう発言は大丈夫かしら、と思った。人種、階級、ジェンダーを超えて一緒にトランプ政権に立ち向かう、それが全て。

グループに分かれて実際に政治レベルで必要だと思うことは何か?の話し合い。私のグループでは、LGBTQのユースのためのシェルターが足りていない、ハウジングを制度的に改善できるとか、有色人種のトランス女性を取りこぼさないサポートを考えたい、特に拘置所・刑務所での待遇の改善とか、LGBTQにまつわる政府や自治体の情報に関するアクセシビリティの多面化などの意見が出た。全体のシェアの時間では、他のグループでの話し合いの内容が紹介され、例えば、LGBTQ~という頭文字でどれだけ当事者とその問題を正しく表現できるのか?とか、大学内でもっと選挙活動を活発にすべきとか、アライの政治家にLGBTQ問題について知らせるとか、多様な団体が問題の共通点を見出し、ひとつにまとまりアクションを起こすべきとか、キャンペーンを広げるための人員のトレーニングとファンドレイジングとか、LGBTQの問題は優先順位が低く見られがちなので、もっと中心に持っていくとか、人々に情報を提供して正しい選択をしてもらう、などなど。

その後、2人のパネラーがそれぞれの話。二人目は、Dr. Rachel Levineさんという医師でトランス女性。(たぶん50後半)州の保健省の長だって!医大の教授でもあるそうな。つい最近任命されたらしい。近年、仕事をしながら男性から女性にトランスしたが、職場でのそれについての障害や差別などはほとんどなかったそうだ。それについて本人は、医師と言う社会的地位のある職業であること、白人であることが関係していると言っていて、こういう特権に自覚的なのはいいなと思った。関係機関で会議をする際も、相手は一般健康についての専門家であっても、LGBTQのことは知らないことがあるので、自分がトランスであることは隠さずに、機会があれば教育的な意味での長い自己紹介をするなど自分のポジションだからやっていけることを実践していきたいとのこと。

三人目は、Carlos Guillermo Smithさん(36)というフロリダ州の下院議員でゲイの活動家の人。この人はラテン系で、選挙区はオーランド事件があった場所。ここでゲイとして立候補するのは、責任重大だしやることがたくさんあると思って挑んだそうだ。議員になろうと思ったきっかけは、HIVなどの活動をしているトランスの人たちがその厳しい状況を伝えに遠くから議会に出向いた時に、時間が制限されていて一人一言ずつしか言うことができなかったのを目の当たりにし頭に来て、これは自分がちゃんと発言できる立場になって伝えたいと思ったんだそうだ。ゲイの政治家で、政治になりたくてなったらたまたま同時にゲイだったと言う人がいるが、自分はそんなことは言わない。ゲイだからやることがあって政治家になったのだと言い切る。トランスのような最も差別されている人たちに寄り添って取りこぼすことのない戦略で行きたい、とのこと。

最後に質疑応答。質疑で発言する際に、質問者はどの州から来ていて何をしているのかも自己紹介していたんだけど、さすがにみんな活動家。政治家の秘書とか、大学のLGBTQサークルの代表とか、コミュニティセンターのワーカーとか。メモしてないからどんな内容か忘れた。残念。すごい拍手があがったり、フィンガースナップ(指パッチン)が鳴ったりといい話がされていたようなんだが、英語が早くて全然聞き取れなかった。指パッチンは、なるほどとか同感!という時に使うようで、拍手よりも話し手の話しを遮ることがないし、聞き取るのに支障が出ないので良いと思った。他のワークショップで、全体の意見をシェアする時なども、指パッチンが多用されていました。

LGBTQの問題は一部の人だけが関係する問題であって、話題のセンターにはなりにくく、いつも優先順位から外されてしまう、というのは日本でも同じだと思う。そうした時にどういう語り口でLGBTQの問題を見せるかというのがポイントになってくるだろう。平たく言えば、多様性の抑圧は全員の生き辛さにつながっている、あなたがマジョリティであっても多様性に寛容な仕組みの恩恵をたくさん受けることができるということだ。

オーランドの議員さん、もっとも差別されてる人に寄り添ってと言ってたのが印象的。トランスの友達もたくさんいるんだろーなと想像できた。しかし言うは易く行うは難し。正直、大変と思う。粗野、乱暴、汚い、意味不明のいちゃもんつけてくるとか、言わなくていいことずっと言ってるとか、聞いても何も答えないとか、いきなり怒ったり、叫んだり、明らかに薬物してるとか、明らかに酔っぱらってるとか、底辺を感じる集まりって底辺だからこそ荒れている。精神疾患、貧困、薬物/アルコール依存、虐待、DV、ホームレスなど日本に居る時よりそうした人口が多い気がする。トロントに住んでいて、日本に居た時よりそうした人に会う機会が多い。コミュニティセンターや教会がやっているトランスやセックスワーカー、貧しい人のための無料飯とか行くと、やべえと感じる人が一定いる。LGBTQ当事者であっても、ムーブメントとかどうでもいいっていうか、それどころじゃないんだろな、とも思う。こういう状況の人に、さらに意地悪をしたり、どこかに隔離したり、何かを強制することで事態が良くなるはずはない。必要なものやケアを提供し、笑顔になることをもっとやってもらうしかないと思う。

それとは別の軸で思い当たるのは、貧乏暮らしている何人かの友達は、ハリウッドのゴージャスな生活を紹介する番組とか、リッチな家族が家のリノベーションしてビフォアアフター比べる番組とか、ダイアモンドでデコレーションしてる何億の車みたいな世界のオークションとかそういうテレビが好きなんだよね。そんでお金があったらなーと言う話をいつもしている。ソーシャルメディアが発達して鬱が増えているというのは、比べる先が増えて自己肯定感や価値観が相対的に下がるからという研究がある。自分の人生で何に価値を置くか、優先順位を高くするかで幸せの感じ方も変わると思う。
いかに効率的か、いかに生産的か、お金が稼げるか、ばかりで人を図るようになっているので、無職の私は自分に価値がないと感じている。私は自分の年収がいくらでも、全く生産性がなくても、変わらず私の何かしらの良さをわかってもらえる社会、人間関係の中で暮らしたい。物ではなく、人に価値を置くような価値観になれば、結局は公民権運動が大事というところに行きつかないだろうか。


■Victory Institute highlights work of state & local LGBT leaders at Creating Change
学会のパネラーがそろっている写真が主催者団体のサイトにアップされていました。

パネラーについてはこちら
■Brian Sims
■Rachel Levine
■Carlos Guillermo Smith
カルロスさんの選挙結果。年収330万円まで出てる。

WS報告「NPOのための持続可能な資金調達術」

NPOのための持続可能な資金調達術」
1/20(金)9:00-10:30

【プログラムから概要の訳】
この強力な分科会では、組織のための持続可能な資金調達づくりを体系づけられたモデルで参加者に紹介します。あなたの組織にベネボンモデルを適用しながら、生涯を通じてスポンサーとなってくれる熱心な個人をつかまえる方法を学びましょう。この実際的で効果的な方法に取り組むため、参加者は組織の同僚やボードメンバー(理事を買ってでてる人)、ボランティアを連れてくることが望ましいです。
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さすがにプレゼン命のファンディング、プレゼンターが超プロ!過不足なく、きっちり明快な美しいプレゼンにうっとり!ベネボンはファンドレイジングコンサルタント会社で、創立20年目、発表者は11年働いているそうだ。LGBTQの非営利団体のクライエントもあつかっているそうだ。最初から一貫して力説されていたのは「Deep engagementがあればスポンサーには困らない」といこと。つまり、コミュニティの本当の需要を把握して、適切なサービスを行っているなら必ずスポンサーが付くし、実績を積めば、生涯スポンサーも獲得できる、とのこと。アメリカの非営利団体の運営費の内、8割が個人からの寄付らしい。少額からはじまり高額へ、そして生涯を通じて寄付をしてくれる個人スポンサーをどうやって獲得するのか?資料として下記のような円が描かれたプリントが配布された。

 

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  「導入として、はじめての人を引き込むための無料イベントを開催します。イベントは、まずはじまる前に自由時間を少し取り、主催者が個人的に挨拶をしてまわったり、イベントへのサインインや、参加者同士が交流できるように促します。次に、代表的な人、理事などからの挨拶から実際のイベントがスタートします。理事など実務を負っていない人をここに持ってくるのは、参加者とあなたの組織との仲介役をさせるためです。なぜ理事を引き受けているのか、それを話してもらうと良いでしょう。
次に、実務を負っているあなたの出番です。コミュニティに具体的にどのようにコミュニティに貢献しているか、しっかり説明しましょう。次はウォーキングツアーです。小さな資料室でも、棚でも、関わったこれまでのイベント資料をテーブルに広げておくのもよいでしょう。参加者を連れて行き、物理的な証拠を見せて活動と実績を説明しましょう。
次にボランティアや、サービスを受けた人に登場してもらいます。彼らには神話を壊すような話、(例えば、貧しい地域の学校に対して、文房具や学習機材などは申請すれば政府からお金が下りているはずという一般的な発想は神話であり、実際には機能していないなど)そして、具体的にどれだけ組織が提供するサービスが的を得ており、実際に助かったかとい忘れられないインパクトのある経験を話してもらいます。証人ですね。
そして、またあなたや運営メンバーの出番です。ニーズがあるのにできていないこと、コミュニティから新しいニーズが出てきていること、それを実現させるためにはいくらお金が必要であるかを説明します。
このイベントに参加するのは誰か?というと、あなたの知り合い、家族、友達です。あなたが自信をもってやっていることなのだから、まずは身近な彼らに協力をあおぐべきでしょう。そこからだんだんと広げていきます。それが確実です。」

うん。。家族、友達が協力してくれたらありがたいんだが、なぜだろう、頼みにくい。日本でLGBTQの非営利に関わって来て、家族やヘテロの友達に声をかけたことはあまりない。何か。。。関係ないと思われてるだろうとか、興味ないだろうな、とか思ってしまう。だいたいそもそも、何かをお願いするとか、頼むとかいうこと自体の敷居が高い。

  「イベントの後、2~3日以内に参加者に電話をかけます。目的は、A、イベントをどう思ったか?イベントがこちらの思った通りに受け取られているか確認して次回に活かします。B、何に関心があるかを尋ねます。コミュニティのニーズ探しです。具体的に何についてだったら、この組織に関わりたいと思うか?自分だったらどんなサービスを受けたいか?どんなサービスにならお金を出したいか?

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もちろん、参加してくれたことに対しても感謝を伝えましょう。この電話でのフォローで、あなたの団体に興味を持っている人を見つけることができるでしょう。その人が手伝いやすい方法を探しましょう。寄付の頼み方は、このような電話での1対1で、あるいはフリーイベント会場で用紙記入の方法があります。また、寄付の単位もプロジェクト毎に頼むか、3年や5年単位の数年続きで頼む方法もあります。
あなたのイベントが本当によかったら、あなたの団体についてその後も口コミで広がるはずです。「すごいよかったよ、あなたも行ってみたらいいよ!」これが図のサイクルの「1」の部分に集まる人の質を向上してきます。元々関心が高い人が集まる確率が増えて行き、寄付をしてくれる人の割合も増えて行きます。」

  「貧しい地域の小学校でのファンドレイジングイベントの例をご紹介します。この地域では子供たちに十分な教育資材がなく、進学率も低いため地域ぐるみでのいろいろなサポートが必要でした。一人につき年間6万円を数百人ですので、8000万円以上を目標としていました。800人規模で平日の朝に無料の朝食イベントを開催しました。もしあなたがこのイベントに招待されたとしたら、どう思うでしょうか。平日の朝早く起きて、会社に遅れるかもしれないと連絡をし、正直大して興味もなく期待もしていないイベントに、友達のメンツもあるしということで車を飛ばして会場にでかけます。
会場についてみると、子どもたちが笑顔で迎えてくれて、合唱団が歌っていてなんとも良い雰囲気です。テーブルには子供たちが将来なりたいものを描いたイラストや手紙が飾ってあります。組織の理事的な人がようこそと朝早くの参加に感謝してまわっています。無料の朝ごはんを食べながら、子供たちのこの団体のサービスによって達成できた体験について感動的なストーリーを聞いたり、人生が変わった卒業生たちのビデオを観たりしました。ずっと団体にたずさわっているボランティアが、これまでの活動や意義について語りました。主催者からはどのように子供たちを支援できるか、具体的な案が述べられ、寄付の仕方も説明されました。
このイベントの場合、用紙記入での寄付を募りました。

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選択肢をいくつか用意し、5年間1人の生徒のスポンサーになる=年間10万円。5年間10人の生徒のスポンサーになる=年間100万円。5年間クラスのスポンサーになる=年間250万円。そして、金額無記入の欄も用意しました。最終的には、1億5千万円の寄付を得ることができました。
私たちは様々な規模の非営利団体を支援しています。はじめてのイベントの場合は、もっと小規模で100人程度からはじめるなど、団体の規模と目標額などを検討して企画していきます。」

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ちょっとよく英語がわからなかったけれども、イベントは基本的に新規開拓の人集めのためにするものと、お金を集めるためのイベントと、寄付者向けの実績報告イベントがあるということでしょうかね?どうやってコミュニティのニーズを正確に把握しつづけていけるのか知りたい。組織の性質上、いったん同じことやるとずっとやってしまいそうなんだよね。
理論的にはうまくいきそうな話だけど、寄付をするという文化的な習慣がない日本でもできるんでしょうか・・・。やってみないとわかりませんが。ウェブでのファンドレイジングは何度かやったことはあるけど、全部プロジェクト単位だった。継続的な運営資金の調達としてウェブのファンドレイジングは難しそうなんだけどどうなんでしょうね。
 
日本では教会とかに行ったことなかったんだが、トロントに来て以降、西洋文化を理解するにあたって、キリスト教の理解は不可欠だと思い、教会に行ったりしている。幸い友達が教会マニア?で、ダウンタウンには200以上の教会があるのでいろんなところに連れていってもらってそれぞれの宗派の違いなども少しだけわかるようになった。教会のミサに出ると必ず寄付の時間があって、ボランティアの人がお盆や籠を持ってお金を回収して回るのだ。友達はどの教会に行っても、毎回なんぼか収めている。昔は教会によっては、収入の10%は教会に寄付することが決まりになっているとこもあったとか。多くの教会でミサの後、お茶会みたいなのがあって、無料のコーヒーやお菓子がふるまわれる。場所によっては無料のランチも出たりする。クリスマスディナーやサンクスギビングなど、無料の食事会があったり、フードバンクなど貧しい人に食べ物を配布する活動をしているところもある。
それらの慈善活動は寄付を基盤にして行われている。
現金を寄付することに慣れていない日本文化(昔はお寺とかであったんだろうけど)で非営利団体を運営する時の困難はどのあたりに解決策を見いだせるのか。いつも疑問。よくこっちの人に、アメリカの企業から助成金をひっぱってきたらいいと言われることもあるけど、どこまで現実的なのか。まあ、新しいことどんどんやって試してみるしかないけどさ。


■主催団体のページ Benevon 

http://www.benevon.com/

(サイトで公開しているビデオはこの分科会の内容とほぼ同じと思われます。55分)

 

WS報告「オープニングレセプション:ウィリアム・バーバー牧師の演説」

「オープニングレセプション:ウィリアム・バーバー牧師の演説」
1/19(木)8:00pm-10:00pm

こちらで全演説が見れます。

www.youtube.com

興味があれば演説の最後、1:01ぐらいから観てみてほしいんだけど、牧師の呼びかけでたくさん参加者がステージにあがって一緒に叫ぶんですわ。アメリカっぽい!レセプションの最初の方でも、我らのアメリカ万歳!的なハリウッドみたいな動画が流れて、参加者も「U!S!A!、うおー!」みたいに叫んでて、びっくりしたー。

ウィリアム・バーバー(Rev. Dr. William J. Barber)牧師は、全米黒人地位向上協会(NAACP)州代表。200以上の組織が参加する「モラル・マンデー」という、投票権、公教育、医療制度、女性、労働者、移民、LGBTQの権利の平等を求める、大きな公民権運動を率いる指導者としてノースカロライナ州で有名な方だそうな。著書も何冊か出している。(異性愛者のシス男性。)その一貫である「モラル・デモ」には数万人が集まるなど、選挙後は反トランプ運動としても運動が続いているようす。

人種差別的、同性愛・トランス差別的、移民差別的なトランプ政権になり、差別が活発になって来ていることを受けて、LGBTQ、移民なしの人種差別反対運動はなしえない、今まさにアメリカがひとつになって戦うべき時だ、と力説されておりました。数年前にもう歩けないと医師から言われたけど、医師、看護師、水泳のコーチ、家族、友達、教会の人たち、いろんな人がひとつになって自分を支えてくれたので、今また歩けるようになったとひとつになって何かをやり遂げることの大事さと可能性を説明していたのが印象的。

プログラムの中に「プロテストポリシー」という部分があって、いかなるプロテストも大会は拒絶しないけれど、プロテストする人は事前に大会事務局まで届けてくださいみたいなことが書いてあった。牧師の演説の前にロビーで「ウィリアム牧師はトランスフレンドリーじゃない」というプラカードをかかげている人がいて(詳細はわからなかった)、演説中にもしばらく声を上げて抗議している人(たぶん同じ人)がいたけど、ウィリアム牧師、慣れているのか全く動じず、聞こえてないかのように演説を続けてました。確かに、1000人以上の会場での演説で抗議する人の声をひとりずつ拾うのは難しい。演説後に抗議者が直接牧師に話すチャンスがあることを願いました。

カリスマ性について考えさせられます。ウィリアム牧師、この暑苦しい感じがアメリカ人に人気ありそう。日本人に人気出そうな演説の仕方と、アメリカ人に気に入られそうな話し方って、たぶん違うよね。

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そういえば。この大会内のプログラムでもそうだし、カナダでのワークショップを見てもそうだけど「リーダーシップ育成」が一般的に重要な課題として位置づけられているようす。就活する時も、リーダーシップについて言及しないわけにいかないぐらい、当たり前の人としての要素として認識されてると思う。日本で育ってきたけど、リーダーシップ育成とかあまり聞いたことない。リーダーというのは、スキルやトレーニングによってなるものではなく、持って生まれた素質とか、キャラとか、その場の雰囲気によって左右されるみたいな、そんな曖昧な感じがする。欧米文化の個々が集まって組織になるという発想からすると、バラバラな個々をとりまとめ、ドライに決断を下していく機能が組織に必要なのはまっとうな考えだ。そもそも個々ではなく、集団とか輪(和)がメインになる場合、リーダーは私的なものになりやすい。他者との境界線の曖昧さが意思決定にも及びがちだし。効果的、効率的な組織を考えた時、どうしても西洋的な合理性が優位/便利に思えてしまうけれど、日本的な組織体制で、元々素質有系のリーダーじゃなくてもやっていけるようにするにはどんなことが必要だろうか。これはリーダー側の育成というよりも、リーダーじゃない人の育成って話にもなると思う。まあ結局はリーダー育成の歴史の深い地域から参照していくのが早い話になってしまうけど。

 

WS報告「Welcome Reception」でのブース

大会のYoutubeチャンネルがあったわ。大会がどんな雰囲気かわかるCMです。

www.youtube.com


「Welcome Reception」

1/19(木)7:00pm-

APIのワークショップを終えた後、7時からは4・5階のロビーでウェルカムパーティみたいなのがはじまっていた。ロビーにはたくさんのLGBTQ関連の企業や団体がブースを出していて見て回った。食べ物は軽食が出ていて、生野菜や果物、パン、クラッカー、チーズなどが無料で食べ放題。飲み物も出ていたが、アルコール類はお金がかかるらしかった。
ブースはHIV啓発、PrEP(HIV予防のために毎日飲むピルのようなもの)の紹介、宗教系、教育系、LGBTQ向け妊娠出産クリニック、ゲイゲームズ、プライドパレード、中絶法反対、トランスのシェルター、LGBTQの本屋、アウトドアの会社、などなどたーくさん。

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■Gay Parents To Be
LGBTQ向けの妊娠出産コーディネイトクリニックの人に話を聞いたら、ゲイやレズビアンだけでなくトランスにもサービス提供しているとのこと。レズビアンへのサービスとしては、人工授精、試験管受精(産む側じゃない人の体外受精)、養子。ゲイへのサービスとしては、試験管受精(代理母による)、養子。トランスジェンダーへのサービスとしては、卵子体外受精用)、精子(人工授精用)の冷凍保存、養子。が用意されている。

具体的にゲイカップルの場合だと、導入カウンセリング→遺伝子検査→卵子提供者選び→体外受精胚の検査→胚の冷凍保存→代理母探し→代理母のマッチング→妊娠→出産のような、これらの全プロセスを包括的に一緒にやってくれるそうで、これは大きな会社だなーと思った。
家族計画にともない、子育ての経済プランも専門家が一緒に考えてくれるそうな。LGBTQの家族計画が専門分野として成り立っていて専門家として働いている人がいる。具体的には、不妊治療専門医、不妊治療看護師、人工授精の専門家、弁護士、精神衛生の専門家などだ。

前もアメリカの学会で感じたことだが、LGBTQ当事者で専門家の人がたくさんいて、だから的を得たサービスが提供できて、コミュニティのビジネスにもなり、社会の一部としてしっかり体をなしているんだよなーと思う。日本ではLGBTQの専門家が育ちにくいように思う。もちろん、日本にも専門家はいて、友達とか頑張っているけど、一般的にカムアウトできる状況とはまだまだ言えないだろう。でも今日本も変わって来てるし、LGBTQの若い人が学校などで適切なサポートを受け、夢をあきらめることなく、実現していってもらえたらと願う。


■Act Against AIDS
■PrEPについてのYoutube動画。

youtu.be

会場にブースがあるし、ワークショップでもたまに話が出てくる、PrEP(HIV曝露前予防)って何なの?と思って調べてみましたら、HIV予防のための薬で、毎日飲んでいるとHIVウィルスが入ってきた時に抗体が戦ってくれて感染を防げるというものらしい。アメリカやカナダで認可が下りていて、飲み始めている人もいるようだ。日本はまだ。副作用としては、たまにお腹が痛くなるとか、食欲不振、軽い頭痛などが最初の一か月見られる人もいるらしいが、深刻なものではないとのこと。医者に行ってPrEPを処方してもらい、三か月毎に医者に戻りHIVのテストを受け、また三か月分もらって継続していくという感じみたい。ほとんどの場合(アメリカ)、コストは保険によってはカバーされるとのこと。しかし、HIV以外のSTIには効かないので、PrEPを飲んでいるからといって、コンドームなしのセックスをしていいわけではない。セックスワーカーの人など、リスクの高い仕事をしている人には朗報だね。飲んだ方がいい人の例としては、

ゲイ・バイ男性で、
HIV陽性の恋人がいる場合
●複数のパートナーがいる場合、複数のパートナーを持つ人がパートナーの場合、パートナーがHIVかどうかわからない場合で、
コンドームなしのアナルセックスをしたり、最近SIDに感染していた場合

異性愛者で、
HIV陽性の恋人がいる場合
●複数のパートナーがいる場合、複数のパートナーを持つ人がパートナーの場合、パートナーがHIVかどうかわからない場合で、
注射器での薬物使用のある人と、たまにコンドームなしのセックスをする場合や、バイセクシュアル男性とコンドームなしでセックスすることがある女性

注射器で薬物使用する人で、
●注射器を他の人と共有する場合
●最近、薬物回復のプログラムに行った場合
●セックスからのHIV感染のリスクがある場合

 


■Morris Home - Resources for Human Development
人間形成のための社会資源センターは、1970年からはじまった総合的な生活支援をする非営利団体。14の州にわたって、160以上の地域での支援プログラムを手掛けており、質の高い支援を提供しているそうだ。その中のプログラムで、行く場のないトランスジェンダー/GNC(伝統的ジェンダーに従わない人)や、薬物依存で回復の支援が必要なトランスジェンダー/GNCのためのシェルターを運営している。シェルターとなっている家の収容人数は、7-8名らしい。

シェルターでは依存症やその元になっている原因に対して、総合的なアプローチと柔軟な住み込み待遇、医療的支援での回復を試みている。利用者の多様で交差した問題に対して、カウンセラー、医療チーム、回復専門家が密接に連絡を取って働いている。トランスジェンダーの大人で、薬物依存または乱用、精神疾患と薬物乱用が同時に見られる場合、シェルター利用の対象となる。他のシェルター、回復プログラム、拘置所からの受け入れも可能。


■World Out Games
ゲイのオリンピックがマイアミで5/26~6/4(2017)開催されるそうです。


■Stop the Hate | Campus Pride
大学でのヘイトクライムを防止するためのプログラムを提供しているところ。全米1400以上の大学・専門学校などにアプローチしてLGBTQの学生の学校生活向上の効果を上げているそうです。大学で実際にトレーニングを行って、LGBTQのリーダー養成、サークル作りなどを続けており、一般学生にも実践的なヘイトクライム防止のワークショップをやっているようで興味深いです。すごい大きな組織~。毎年8万人から投票されて決まる、LGBTQフレンドリーな大学TOP50を発表しているそうです。

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■宗教組織
いくつかのブースは宗教関係で、例えば教会の中のLGBTQ部署の人が出版物を持ってきて売っていたり、キリスト教系の学校の系列が学内のプログラムを紹介していたり、宗教者にとってのLGBTQの解釈をどうしたらいいかみたいな総合的な案内をしている組織も。日本と大きく違うのは、半数以上の人が自覚的な信仰を持っていてLGBTQであることもその宗教との関係上、とても重要な問題であることだ。「信仰とLGBTQ」についてのテーマのワークショップもたくさんあった。(全然参加しなかったけど次回があれば是非。)信仰と家族との折り合いの付け方であったり、牧師や教会のリーダーとしてどうLGBTQの信者の居場所を作っていくかなどなど、信仰に関連したワークショップの数は、28!(上の写真が全体の予定)驚いたのは、無神論者のための当事者ワークが持たれていて、宗教を持つことが当たり前の文化でのマイノリティ体験をシェアしているらしかった。

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なんていうか。これを書くにあたり持って帰ってきた資料を見直しておりますが、いちいち各フライヤーが立派なんだよね。これだけでも、企画、デザイン、印刷、配布などでかかるお金の大きさを感じます。フライヤーが日本みたくペラくない。はがきよりも分厚いんだよ、簡単に折り曲げられないぐらい。捨てにくいね。

WS報告「クィアのAPIムーブメント作り(API=アジア人、太平洋諸島の人)」

クィアAPIムーブメント作り(API=アジア人、太平洋諸島の人)」
1/19(木)9:00am-6:00pm

【プログラムから概要の訳】
アジア系アメリカ人、南アジア人、東南アジア人、中東人、太平洋諸島の人のLGBTQためのムーブメント作りにご参加ください。国中から集まったLGBTQでAAPIの活動家たちとネットワークを作り、知り合いましょう。LGBTQのAAPIの運動の歴史と人種平等運動について学びましょう。コミュニティ作り、可視化、組織化、影響のある問題へシフトしていくため、私たちがどのようにユニークな文化や、LGBTQのAAPIとして家族のアイデンティティを導いてきたかについて共有します。アメリカにおける、アジア系アメリカ人、南アジア人、東南アジア人、中東人、太平洋諸島の人のクィアコミュニティの声と、私たちがたずわさってきた国際的な社会的平等の運動をさらに推進させていきます。この集まりは、AAPIの人に限定したものです。
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50名ぐらいの参加者。途中参加したり、抜けたりして全体の流れなどはわからなかったけども、いろいろ当事者の新鮮な話が聞けて良かった。私が途中参加した時は、アメリカでAPIであることで感じるマイノリティ性や文化の違いなどについて参加者が発言していた。白人が集まっていても何も言われないのに、有色人種で集まっていると「なんで同じ人種で固まるんだ、閉鎖的だ」と言われて不平等に感じるなど。ちなみに「閉鎖的だ、ずるい私も入れて」と言ってくる白人はだいたいアジア人の彼氏がほしいだけだ、とか。(笑)ノルウェー人と韓国人とか、パキスタン人とペルー人とか、組み合わせが珍しい親を持つ場合、なかなか文化的に共有できる人を見つけにくいとか。「アジア人」と言った時にだいたいイメージは中国、韓国、日本の東アジアで、インドなどは入ってない。アジア人のイメージが偏っているという意見も。それに関連して、代表の人がワークショップのファシリが東南アジアの若者たちであることを誇りに思うと言っていた。ちなみに、(白人というか北米でのアジア人イメージというのは、数学ができて頭が良い、受け身。だそうな。この受け身というのがゲイのコミュニティではネコイメージの固定につながり、不快に思っているアジア人ゲイもいるようだ。)

警察からのLGBTの有色人種への酷い暴力についてのビデオを見た後、グループに分かれ、壁に貼っていある事件の記事を取って来てそれについて感想を述べあった。私のグループは、空港の検閲の際、中性的な容姿の東南アジアの人が、白人男性の警備員二人に小さな部屋に連れていかれ、何も撮影しないとか、怪しいことをしないなどの誓約書みたいなのを書かされたという記事。トランスの息子を持つお母さんが、パスポートの性別が見た目と違うということで、空港で自分の息子も押し倒されて手錠をかけられたという体験を話し、これからトランプ政権になり、このようなことが横行するのではないかと注意を促していた。(私も一度アメリカに空路で行った時にパスポートと性別が違うためか、説明を求められたことがあったような気がするがよく覚えてない。)この記事に関連して、立場が弱い人種として、いつもニコニコしたり、すごく明らかにいい人風に振る舞うことを安全策として取らざるを得ないという話も出た。

アジア系アメリカ人のろうの参加者もいて、グループワークも同じように手話通訳を使って議論に参加していた。ひとりのろう者につき二人の手話通訳が交代でついていて、ろうの人が手話で意見を言う場合は、手話通訳が英語でしゃべって通訳をしていた。そのろうの人が言っていたのは、手話通訳が白人ばかりなのでもっと有色人種の通訳を増やすべき!ということだった。有色人種の場合、ASL(アメリカ手話)が母語じゃない場合もある。様々な文化背景に配慮した手話通訳を提供するには白人ばかりではよくないと思うと言っていた。確かに手話通訳が白人ばかりだと委縮してしまう有色人種のろう者もいるだろうな。また、LGBTQに関するいろいろな情報・資源についても、ろう者や他のアクセシビリティニーズがある人に対してもっと開かれて行ってほしいとも言っていた。
この人は金曜から大会に参加する山本芙由美さんのお友達だった。余談になるが、先日山本さんと日本からのお友達がトロントに来て、一緒に観光した時に「日本にいる時とイメージ変わったわー!真面目な人だと思ってたよー。」と山本さんに言われ、お友達の方が「通訳を通してだと真面目なことしか言えないもんね。」と挟んで来て、そうか!と気が付いた。手話通訳の人が介在することで自己表現は変わるのだわ。それは、どんな通訳がつくかで、ろうの人のコミュニケーションの自由度も左右されるということだ。手話通訳が白人だけというのはやはりよくないね。
国際会議で英語が共通語であるように、ASL(アメリカ手話)はろう者の国際会議での共通語のようだ。英語が母語の人が議論で有利なように、ASLが母語の人は国際会議の場では有利だと思う。第二言語としてASLを使う人に対する配慮がなされているのか知りたいところ。どの言語がその場を支配するかは政治的な問題だし、力関係には敏感になりたいと思う。そういえば、開会式での手話通訳についての説明の所でも「一度に発言できるのは一人だけです。手話通訳は同時に複数の通訳をできないからです。そして複数話している人がいる場合、その中から一人の発言を選ぶという意図的なことをせねばならなくなり、それはその場の力関係にも影響することになります。」と言っていたのが印象的だった。

ワークショップの話しに戻りまして。最後に代表の人が言っていたことが印象的。AAPIで集まっても、人種も文化も言葉も違うのでひとつになれるわけはない。なのになぜAAPIで集まるかというと、政治的な目標が共通だから。個々のAAPIはマイノリティだけれど、集まることで人種の社会的平等という点で共闘していかなければならない。みたいなことを言っていた。

この学会を通して何度も聞いたのは、「Together(共に)」という言葉。どんな問題も交差しており、アイデンティティも複雑。分野もまたがっていて専門家も専門外とつながらないと実践的な対応ができない。トランプ政権と戦っていくための士気をあげるためにも何度も使われていた。日本でももっと混ざり合って垣根を超えたつながりを作っていくのが、本当に機能するコミュニティづくりではないかと思った。生きている人間は縦割りに問題を持つわけではなく、分野関係なく総合的にひとりの人生なのだから。

NQAPIAのお母さん方がとてもよくしてくれて、食事にさそってくれたり、声をかけてくれたり、財布をなくした私を気遣ってくれました。感謝。そのつながりでニューヨークの会員の方ともトロントへの帰り道にお会いできました。素敵なつながりをくださって感謝。

 

■主催の団体のページ
NQAPIA
http://www.nqapia.org/wpp/

■ワークには関係ないけどYoutubeで動画を見つけたので参考までに。
Our Families: LGBT Asian and Pacific Islander Stories
https://www.youtube.com/watch?v=OJMqIEBf2lY

WS報告「二元性を超えた交差性」

1/19(木)も一日かかりのワークショップで、下記の21テーマの中から選ぶ。21個、、、気になるテーマ2つに絞り時間をみながら両方参加した。

 

●黒人分科会:次は何?LGBTQ/SGLの人たちにとってのポストオバマ政権(SGL=Same gender lover)
●大学内のLGBTQリソースセンター専門家分科会
クィアAPIムーブメント作り(API=アジア人、太平洋諸島の人)
●ラテン系コミュニティにおけるLGBTQ運動
HIV/AIDSと感情的健康
●欲望読解分科会
●デジタル戦略分科会
●マジョリティとしての信仰者支援
●LGBTQコミュニティにおけるアルコール、薬物の危害の減少(ハーム・リダクション)調査
●白人のための分科会:人種差別を終わらせるために
●交差するトランス:真に包括的なトランス/GNC運動を作る(GNC=Gender Non-Conforming)
●私たちは家族!
●老化問題、社会運動とLGBT運動
●繁栄:エリック・ローフの遺産:セックスと健康、政治と革命に焦点を当てたクイア運動の変革
●若者分科会:若者を中心にしたプログラム組
●二元性を超えた交差性
●大学内のプライドパレード学生リーダーの分科会
●警察の暴力とLGBTQとコミュニティ
●アライ分科会
●勇敢な空間:オーランド事件後のクィアで安全な若者のスペース
●代表者、取締役の分科会:世界が右傾化している時にどう自分たちのままでいられるようにやりくりするか


二元性を超えた交差性
1/19(木)9:00am-6:00pm

【プログラムから概要の訳】
この一日がかりの分科会は、単一のセクシュアリティではない人、単一の恋愛主義アイデンティティでない人(バイ、パンセクシュアル、流動的な人、クィア、オムニ、その他のラベル、まだラベルがついてない人も含め)のための閉じられたセッションです。バイ+コミュニティ内の多様性と、運動内で可視化されていない葛藤を持つ人たちの物語に光を当てて行きます。活動家としての私たちの声は、人種差別、性差別、階級差別、トランスへの反感、バイへの反感、障害者差別、移民への反感、エイセクシュアル、エイロマンチックへの反感、などなど、交差性を反映しています。私たちの歴史を学び、自分たちの状況を位置づけることは、私たち自身を理解し、可視性と包括性を創造するひとつの方法です。全ての単一のセクシュアリティではない人、単一の恋愛主義アイデンティティでない人、ようこそ!存在を認識され、自分の物語を聞いてもらい、勇気づけられ、美しくありましょう!
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当たり前なんだけれども、やっぱりこの手のワークショップは最初のガイドラインの作成からはじまるんだよね。第三人称を正しく使うとか、勝手に誰かのセクシュアリティを決めてかからないとか、人が話してる時は口を挟まないとか、WeじゃなくてIを主語にしてしゃべるとか、安全な場として機能するために何をして、しないべきかというのを話し合い、全員で合意していく。そして、用語解説。言葉の意味が違っているまま話が進むと誤解がどんどん膨らむので。どこでもしないとあかんことだけど時間がかかるし、どういうことか知っているのでちょっとスキップさせて頂きたい、ということで別の分科会に行きました。

戻ってきたら、バイセクシュアルではじめて大学で単元もらって話したという教授がバイのアメリカ史を1950年ごろから振り返って説明していた。1980初頭に初めてバイセクシュアルの国際会議が開かれた。ゲイレズのムーブメントが大きくなってから、バイだとカミングアウトするゲイレズが出てきて、相当叩かれたこと。エイズパニックでもバイHIVをばらまいているという言説がまかりとおり、その後もバイ差別、排除は続き1980から1990年代が全盛期だったようだ。2000年、ノンバイナリーという概念が初登場。この頃から、セクシュアリティは、誰かを固定化する名詞ではなく、その人を彩り、複数になり得る、時として変化する形容詞になってきた、と。自称が大事。Identityであって、Youdentityじゃない、と。2010年、メディアでのLGBTQの報道の仕方が変わってきた。教授は数十年でセクシュアリティを表す用語はどんどん増えて(パンとか、流動性の人とか)、数年前からは想像できないことがどんどん起きている。これからが楽しみ!とのこと。

参加者から「バイセクシュアルの歴史ばっかりで、パンとかポリーとかの歴史を期待して参加に来たのでなんか、排除された気分。」という発言。教授は「いろんな言葉や概念がたくさん出てきてますよね、最近。あのー、後で個別にお話ししましょうか?」で次の質問へ。これをしばらくしてからファシリが拾い直し「自分の質問にちゃんと答えてもらえてないのに、次の質問に行かれたら無視された気分になると思う。質問者の答えになるかわからないが、私の考えを述べたい。昔から多様な人が、その場にいつもいたはずだ。今までのレズゲイコミュニティにもパンもポリもいた。ただ、概念がないとか、名前がついてないとか、だからアイデンティティを持てないとか、政治戦略的に声をあげれないとかだった。バイセクシュアルの歴史を知ることは、それまで言葉がないし、政治的立場の判断的にもゲイレズに埋もれてきたバイセクシュアルが声をあげられるようになってきた経緯を知ること。それは今のパンやポリー、GNCの立場につなげて考えることができると思う。(なるほどねー)

しかし、その後もファシリたちが自分たちの体験を語ったり、参加者が発言したりしてたんだけど、でも話はどうもバイセクシュアルがどう可視化していくかというところばかり。。。やっぱりバイの分科会だなこれは、と気づく。うん、学べますけれども。私は、性指向(バイ、パン)、性自認(トランス、GNC)、性関係(エイロマンティック、ポリー)などこれまでの定義を超えて行く人たちがコミュニティでどう可視化していっているのかが知りたかったんだわ。だって、もうけっこうたくさんそういう人たち出てきてるじゃん。うーむ。別の分科会へ行くか。

そして若干気になったのは、ファシリてーたーのバイの人の語りの中の「バイって言ったら誰かれかまわず好きになるとか、何人も恋人がいるとか思われて嫌」という口ぶりには、どこかパンやポリーの人へ配慮が感じられなかったのが、残念。誰彼かまわず好きになるというのはパンでもないけれども、ポリーの立場をわかっていれば「何人も恋人がいると思われたくない=この場の人は皆モノガミーだよね」みたいな言い方しなくても、単に「私はバイでモノガミーなので」と言えばよかろうぜよ。

最後に印象的だったことは、ファシリがエイズパニックで私たちは歴史の断裂を経験していると言ったことだ。多くの人がエイズで亡くなった。本来たくさん受け継がれるはずの社会運動の遺産や個人の物語が、受け継がれずに消滅している。あの時代を振り返り、当時生きていた人を知り、その空白を埋める作業が必要だ。そうすることが、私たちの次の世代を豊かにしていくことだ。私たちのアイデンティティが帰属する場所、そのコミュニティをしっかりしたものにするためには、歴史の積み重ねが重要だ。とのこと。お昼ごはんは無料でピザが出た。

 

■ファシリの人が所属する団体のページ
SALGA NYC
http://www.salganyc.org/

WS報告「LGBTの人種差別反対運動を作ろう」

LGBTの人種差別反対運動を作ろう」

このワークショップは水曜日朝9時から夕方5時半まで1日中かけてやっていた。最初は一番大きな会場で800人ぐらい、次は4つのグループに分かれて、その次は10つのグループに分かれ、最後にまた大会場に戻って来てまとめをする、というもの。構成がうまくできていて感心した。

 

セッション1(人種差別)9:00-10:30

最初の大会場では、大会最初のプログラムでもあり、期待して参加している人も多いようで、士気を高めるため盛り上げる感じの呼びかけが多く、参加者もイエーイとかヤーみたいに盛り上がっている。アメリカっぽい。トランプ政権になってしまい、人種差別が加速しそうな状況を食い止めなければならない。そのためには今ここで効果的な対策をしていくこと、それを参加者が各地域に持って帰って実践することが必要。本当に変えることができる実践的なワークをするためには、あなた自身が変化を求めなければならない、みたいなことを言っていたと思う。複数のファシリテーターが代わる代わる、要点を話し参加者の気持ちを高め、効いている方も飽きない。

やったことは、知らない人を捕まえて一対一でいくつかのテーマについて話し合う。「この大会、ワークに何を期待しているか?」「どんな人種差別に出会ったことがあるか?」「人種差別について話す時、どういう気持ちになるか?」「何が対話を妨げていると思うか?」など、一対一の対話を3~4人ぐらいと3~5分ずつさせて、目的と取り組むべき弊害を明確にする作業を行った。
800人もいるのに、こういうペアを組むワークでまず周囲の人を捕まえられず、ひとりぼっちになるタイプです!うろうろしてどうにかペアを見つけても、たどたどしい自信のない英語で声が小さくなりがち、さらにガヤガヤうるさい会場で相手の声が聞き取りにくいという苦手な状況。だが、どうにかやり遂げたよ。。。

ところで、ここでの自己紹介の定番としては、名前、使いたい第三人称を合わせて言う。私の場合であれば、「ショーです。He,Him,Hisが第三人称です。」もし男女どちらでもない第三人称を使ってもらいたい場合は、色々あるけど、Theyが主流。この人種差別対抗ワークショップでは、エスニシティについても付け加えるように言われることもあり、私の場合なら「日本出身で、アジア人と自認しています。」と上記の名前などの後に続けた。
また、ここはアメリカ。ファシリが「どなたか感想は?」と言うとバンバンあちこちで手があがり、ガンガン即座に思ってることを言ってます。ファシリはやりやすいね。だいたいどんなワークでも最後に共有する時間を取っていて、質問、感想など発言が活発でした。

LGBTQのコミュニティセンターで働いている人、大学のLGBTQのサポートセンターで働いている人、ラテン系のトランス女性のサポートグループの代表の人、保健機関のHIV啓発の部署のラテン系の人などと話をした。仕事で学会に来ている人がたくさんいるのだ。LGBTのことが仕事になっているアメリカ。専門分野として成り立っているということ。やり取りの中でラテン系の人が、やっぱり有色人種同士であっても人種差別の話しは日常的には話にくい雰囲気がある、と言ってたのは意外だった。ラテン系の文化でももっとラテン系ぽくならないとというプレッシャーやもっと白人ぽくならないとという理想に葛藤があるなど白人文化との衝突がうかがえた。私が言ったことは、「日本では深刻な人種差別が広がっており、マジョリティをどう教育するのかを知りたい。」みたいな。

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セッション2(人種差別)10:45-12:30

次では、4つのグループに分かれた。200人ぐらいの規模。有色人種の初参加、有色人種の二回目以降、白人の初参加、白人の二回目以降。私は有色人種の初参加のグループに行ったが、白人グループがどんなことをするのかすごく気になった。ところで、正直、私は誰が白人なのかわからない。正直、誰が黒人なのかもわからない。黒人だと思っていた同級生がインド人だったり、ラテン系だったりしたし、完全に白人だと思っていた友達が先住民の母と白人の父を持っており、先住民アイデンティティを持っていた。どうやって「白人」が誰だか決めるのか、定義はなんなのか?見た目は白人パス(パスとはそのように見えるという意味)してても実際は有色人種の二世だったり、養子に出されていて親は有色人種とか、一言で白人と言っても多様。結局、どうやら自称らしい。

有色人種の初参加のグループでも、私から見たら白人の人たちがいた。しかしよく聞くとラテン系と白人の親や、中国人と白人の親を持つ人だったりした。ワークショップでは、最初にウォーミングアップとして知らない人とペアになり、これまでのワークの感想を言い合った。それから、ファシリテーターが自分の体験談を例としてシェアし、5人ずつの小グループに別れて体験をシェアしあった。人種差別が個々人の中でどのように作られ構築されていくかについての図式が配布されて、それに従って自分の体験を振り返り、シェアしあった。

例であげられたファシリの話しが面白かった。一人は、ラテン系の親とイタリア系の親を持つ人で、ラテン系の親戚の所にいくと「お前は白すぎるからもっと日焼けしなさい」と海に行くことをすすめられ、イタリア系の親戚の所に行くと「お前は黒すぎるから日焼けしないように家にいなさい」と言われる。自分を大事にしてくれる祖父母がそれぞれ違うことを言ってくるので小さい頃は混乱したらしい。二人目は、アメリカ生まれのインド人で、インド系の中でも肌が黒い方だったので、小さい頃から黒人と思われることが多く、インド人だと言うと疑われたりした。親はインド育ちで移民してきているので、こうした人種の葛藤を話しても伝わらない。三人目は、父親が白人、母親が有色人種で移民してきた人で、両親が離婚。スーパーでの買い物をする時など、母親は有色人種であるために周囲から冷たい扱いを受ける一方で、父親と買い物をするとみんな優しくしてくれた。話しは聞いていて知っていたが、こうして目の当たりにすることで、小さい頃からこうした人種差別を体験してきている人たちが多くいることが、新鮮だった。

グループ内の話しで印象的だったのは、黒人の若い女性の話しで、その人は親がわりと良い仕事で周囲の黒人の人たちより経済的に裕福だったこともあり、高校になるまで差別に気が付かずに生きてきたという。しかし思い返せば、いわゆる黒人のステレオタイプにはまらないよう、白人文化の人間になるように意識して振る舞っていたと気付き、高校で白人の多い学校に行って差別を目の当たりにし、白人に媚びを売ることをやめ、黒人であることにしっくりくるようになったと言っていた。

私は自分がカナダに来るまで白人のような気分でいたということを説明した。日本で日本人でいるということ、ホワイトウォッシュされた文化(白人至上主義)で育ち、自分がアジア人であることを自覚する機会がなかった。「アジアの人」と言う時、日本人の自分は入っていなかった。カナダに来て初めて、自分がアジア人だと気付き、アジア人として差別されること(商店とかでアジア人だから何か盗むんじゃないかとジロジロ監視されるとか)で白人至上主義に気が付いた。在日の友達もいて問題は見えていたのにもかかわらず、人種差別は日本にはそんなにはないと思っていたのは自分が日本人だとわかっていなかったからだ。私の親は事件や事故など不幸にとても敏感で、何かと注意したり、用心するように言われて育った。子を心配する想いで「●●には注意しなさい」と言っているとしても、それが外国人差別に聞こえることが多かったように思う。そうした家族や環境からのステレオタイプの「強化」につても配られた図式に沿ってシェアしあった。

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チャートは写真の通りで、ざっくりとした訳。

【出生】(既に差別構造ができあがっている社会)
【最初の社会化】(期待、歴史、伝統、ステレオタイプ、神話、情報の欠如、偏った歴史、習慣、価値、夢、役割、責任)
【制度、文化】(家族、友達、学校、先生、本、宗教組織、メディア、政府、法制度、文化的標準)
【内面化、強化】(制裁、スティグマ、否定的な意味での’違い’、行動についての報酬と罰、意識的/無意識的な考えと行動)
【結果】(不一致、沈黙、罪悪感、怒り、自己嫌悪、非人道的、リアリティの欠如、共謀、無知、内面化した抑圧/支配、仲間内への暴力/対立)
【行動】(波風を立てない、現状維持、変化は悪)
【中核】(混乱、痛み、怒り、恐れ)

 

グループで話し合ったことをシェアする全体の時間では、FtMの子どもを自殺で亡くした母が参加していて、息子が亡くなったことがきっかけでこうした活動に参加するようになった、できることをしていきたいと涙ながらに語っていた。LGBTの親の会からも多くの参加があったようだ。
ワークショップの最後には、最初のペアの人と向かい合い、ファシリが言う通りの言葉をそのまま繰り返して言った。「あなたは美しい。あなたはそのままで完璧。あなたは素晴らしい。」みたいな感じだったと思う。

 

セッション3(人種差別)2:00-4:45

参加者は自分の関心にしたがい、テーマ分けされた10の分科会に分かれて引き続きワークショップ。50人ぐらいまで減った。私は白人もいる中でどうやって対話を作っていくかが知りたかったので、ミックスでぶっちゃけ話そうみたいな分科会を選んだ。
最初にファシリが、人種を考える時、女性であること、ジェンダーの問題を切り離すことはできないと指摘した。白人が有色人種が体験している日常的な抑圧に気付けないように、男性も女性の話を聞いても何のことを言っているのか理解できない。その点をどうやって意識的になり、話を聞いていけるかが肝心、といってたと思う。また、人によっては単一人種の中で育ってきたため、これまで差別を体験したことがない人もいるはず。有色人種であっても、いろんな背景があることを知っておこう、とも言ってたと思う。

ワークに入る前に、コミュニティのガイドラインを学ぶ。

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適当な訳。
1、開かれた正直な対話。
2、十分に参加する。
3、個人的な体験を元に語る。
4、敬意のある傾聴。理解するよう努める。もし同意できない場合はさらによく聴く。
5、限られた発言時間を共有する。他者の共有を促す。
6、十分にその場に存在する。
7、新しいまたは違う意見に対して聞く耳を持つ。
8、良い意図として受け取る。意図しない衝撃を探検する。
9、危険を冒す。「不快」にチャレンジしてみる。勇気をもって関わる。
10、プライバシーを尊重して秘密を守る。
11、グループ内そして自分の中で何が起こっているかに気づきそれを言い表す。
12、自分のトリガー(気持ちをざわつかせるきっかけ)を認識する。トリガーに当たってしまったら、それを共有する。
13、対話は私たちを理解と受容の深いレベルに導くことを信じる。
14、この機会を利用し、育み、楽しむ。


ワークでやったことはやはりペアになり、これまでの感想を述べあい、このワークに期待していることを話した。その後、5人ぐらいのグループに分かれて、それぞれの人種差別体験を語り合う。が、なぜか白人4人に私一人という組み合わせになってしまい、しゃべれらないといけないプレッシャーを感じる!というのも、ファシリが白人自認の人は対話中は一歩下がるようにと指示を出しているからだ。頑張ってしゃべったため、白人の人らが何をしゃべってたか覚えてない!残念。
ていうか、ここに来てる白人の人たちはホント、いい人よね。わざわざ反省しに来るんだもんね。こうしたアライが、本当に人種差別を理解して、白人特権を白人を変えるために使っていくように仕向けるのがワークショップの醍醐味だと思われます。

写真は、人種差別を語る時、自分は誰で、どのような文脈で何を話すかを定義する必要があるという図。

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違う人種の人と対話している最中に、あなたはどんな障壁に気づいたり出くわしたりしましたか?

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対話の障害になっているものは何か、ブレーンストーミングで出た意見をざっくり訳。ちょっと文脈がわからなくて意味わからないのもあるけども。

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●共感の欠如
●競争心
●自分と他者について知る努力の欠如
●認知的、精神的健康
●文化的言語
●ある空間にどんな態度で存在し、その空間をどう他者と共有するか。

●交差する場で人種がどんな作用をするか(移民の際など)
●恐れ(間違うこと、誤解、人からどう見られているか、存在を認められていないかも)
●エゴ
セクシュアリティの妨げ
●人種という複雑な関係性の蓋を開けてしまうこと
●喧嘩の種
●痛み
●物理的空間
●いつ黙るべきかをわきまえる(わきまえられない)
●お互いの「つもり」を共有できない
●自分のことを言っていると思って被害妄想になる
●衝突やつらい状況の中で安らぎを見出すこと


その後、椅子をのけて広間を作り、一人一枚トランプのカードが配られた。11~13の絵のカードとエースがハイクラス。7~10がミドルクラス、6~2から最下層。数字に寄って人を判断するように言われた。上流階級の人にはニコニコと対応して、「お昼一緒にどう?」などと言ったり、最下層には話しかけられても無視したり、ということだ。自分のカードは見てはいけないので、自分がどのクラスかはわかならい。カードを前に持って、うろうろと社交する。話しかけても苦笑いで去る人が多い。一瞥して視線をそらしどこかへ行く人。目を合わせないように、私の存在が見えてないかのように通り過ぎる人。これはどう考えても私のカードは6以下だ。(実際は2でした。)
何が辛かったかというと、この価値がないと見なされる体験ではなく、この体験がカナダで日常的に感じていることとあまりに同じだったことだ。「これは、いつもと同じだ!」という発見が、アジア人で、英語が上手く話せない若い男子の社会的価値を裏付けるように思えて、辛かった。

3分間の社交タイムの後、ファシリは全員にその場でカードを上にかかげるように言った。そうするとある傾向があることにみんなが気づいた。上流は上流で塊っていたのだ。その他の階級も混ざっているけれど、同じような場所にいる傾向が見られた。これが、現実社会でも起こっていることなのだ。ファシリが参加者にどう思ったか聞くと、どんどん手があがり感想を述べていく。西洋人って感じ。「(上流)みんなが感じ良くしてくれるのですっごく気持ちよかった。」「上流者に感じよくされると感じよく返すので上流同士で塊になりやすいんだと思う。」「(下流)下流同士なのに仲良くしようと思えなかった。同じにされたくないと思って。」「(ファシリ)マイノリティ同士がいがみ合ったり戦ったりするのはそういう心理でしょうね。」「(中流)上流階級の人に気に入られようと頑張ったが難しかった。」「(ファシリ)自分の文化を捨てて、上流文化に馴染もうとすることになっていきそうですね。」いろんななるほどと思わされる感想がたくさん出た。

その後、2重の輪になり、内側と外側で向き合いペアを作った。一方は差別体験語り、他方は黙って聞く。時間は1分間、もし早く済んでも黙って沈黙を過ごし、同意や返答するような対話はしない。話す内容はファシリの指示で少しずつ変わり、5回程度やった。このワークの意図が詳しく聞き取れなかったんだけど、白人としてこれをどう受け止めて持って帰るか、ということだろうと思う。このワークで思い出したのは、セッション2の最後でファシリが言っていた例。人種差別の体験談をした後で、白人の人がハグを求めてくることがあるが、お断りするんだそうだ。そのハグは、有色人種のためのハグではなく、白人がやるべきこを棚上げしてその場をしのぎたいだけのハグだからだ。このワークで、ひたすら差別体験を聞き、同意することも、励ますことも、許しを請うこともできず、ただ聞き、有色人種の人と正面から至近距離で目と目を見て向き合うこと。これは白人にとって、自分の特権を自覚し本当のアライになるために効果がありそうだと思った。

写真は、ワークの前にこれらのことを注意しようと説明されたスライド。

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てけとーな訳。
●理解するための真の傾聴。単に返答したり、擁護することではない。
●言葉について明確にするよう尋ねる。同じ言葉を使っているというだけで、全員にとって同じ意味を持っているわけではない。事前に定義しなければ、誤解と不満を招く。
●対立した時の自分のリアクションを認識する。こうした話題には対立がつきものだ。目標は対立への対処や、どうやりくするか?なので、単に対立を避けたり終わらせようとするならば、問題は解決しない。
●人種主義の全体的な性質を認めることなしに、個人の体験に焦点を当てる時、それに気づくこと。(人種差別は常に構造の中で起こるので、個人的な物語にして矮小化しない。)


セッション4(人種差別)5:00-5:30

最後はセッション1の最初の大きな会場に戻り、まとめ。今日目標にしてきたことを全体で確認。やっぱり最後も、知らない人とペアになり、今日の感想、学んだことなどをシェア。これを2人ぐらいとやったと思う。
しかしもうこの頃の記憶が定かでない。何せあまり寝れない14時間の夜行バスの旅で、朝9時にフィラデルフィアに到着した足で9時15分からこの怒涛のワークショップに参加したため意識が。。。そんな状態だったのでその後財布をなくしてしまったのでした。幸い、ワークショップで友達になった人に電話を借りてカード会社に連絡してクレジットカードを止めてもらうなどすぐにできたのでよかったです。他にも会場で友達になった人が、飲み物をおごってくれたり、晩ごはんを買ってくれたり助けてもらいました。(無料の食事がでるのは木曜、翌日からだったので。)
感謝!!